記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/19 記事改定日: 2020/4/13
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
強迫性人格障害の人は仕事依存症に陥りやすく、人間関係の問題や仕事や学業に支障をきたすことが多いといわれています。この記事では強迫性人格障害と仕事依存症との関連性について解説しています。早めに仕事依存症の対処ができるようにするための参考にしてください。
仕事依存症になると、同僚にライバル意識を燃やし、仕事に猛進するので視野が狭くなり、余裕を失い注意を欠いてミスが増えてしまいます。また部下や同僚に対して、自分と同じように仕事に励むよう、無言で求めるため、人間関係にもこじれが生じます。
また、仕事依存症の人は自分が自覚しないまま緊張状態が続いている状態です。自分自身で気づくか、周囲の人が指摘するまでこの状態が続くことになるので、うつ病になるリスクが高まります。
それだけでなく、要求された水準に到達しなければならないというプレッシャーを休養をとらない状態で受け続けることになるので、肉体的にも精神面にも疲弊して慢性疲労症候群にも陥りやすいです。
うつ病は慢性疲労症候群を併発しやすく、慢性疲労症候群が続くことはうつ病を引き起こすことがあり、負のスパイラルに陥ることも少なくありません。
家庭においても、仕事第一でいつも不在が続き、家庭より仕事を優先するため、家族とのコミュニケーションが少なく、家族の不和や離婚など家庭崩壊につながることもあります。
強迫性人格障害とは、世間一般のルール(道徳や法規範)や自分内部の決まりごとに強くこだわり、柔軟性や融通に欠ける病気です。
代表的な症状として、以下が挙げられます。
これらの症状の結果、生活上の行動が非常に不自由となったり、作業がなかなか捗らない事態に陥ります。
そもそも決まり事や順序は、物事を円満に運びやすくするための手段として定めるものですが、強迫性人格障害の場合、手段であるルールにこだわりすぎる結果、本来の目的が達成できず本末転倒の状態となります。
仕事依存症は、常に働いていないと不安で、「仕事をしなければならない」という強迫観念に囚われている状態です。
強迫性人格障害の人は、人生や状況に対するコントロール欲求が強いため、仕事に対しても「完全主義」の傾向が強く、ワーカーホリックになりやすく、仕事依存症に陥りやすいといわれています。
ワーカホリックとは仕事に過剰に熱心に取り組んでしまう状態のことですが、強迫性人格障害を抱えている人は、それほど重要でない細部まで完璧にこなそうとするため、必要以上に時間と労力をつぎ込んでしまいます。
また、すべての作業に全力を注ぐため優先順位をうまくつけられず、効率が非常に悪く、仕事時間の割にパフォーマンス力はあまり高くない傾向が見られます。
仕事依存症の人には次のような特徴的な考え方、行動・態度、症状などが見られます。
当てはまる項目が多い方は注意が必要です。特に、仕事のことが生活の中心になりすぎて家庭生活などに支障を来している人、心身の不調がある人はできるだけ早めに精神科や心療内科に相談するようにしましょう。
完全主義を求める強迫性人格障害の人は、同じく仕事にも完璧を求める仕事依存症に陥ることが少なくありません。仕事依存症は、うつ病をはじめ多くの問題点を引き起こします。早い段階で受診し、自分を追いつめる前に治療を開始しましょう。