記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
舌小帯短縮症とは、舌の裏側にあるヒダが短かったり、通常よりも先端側についている状態のことです。重度の場合は治療が必要になる場合もありますが、治療は赤ちゃんのうちに始めたほうがいいのでしょうか。この記事で詳しく解説していきます。
舌小帯は、舌の裏側についているヒダのことです。生まれつき短かったり、ヒダが舌の先端に近い部分についていることがあり、これらの状態を舌小帯短縮症といいます。舌を前に出すと、舌の先端にくびれができハート形になるのが特徴です。
舌小帯短縮症は軽度・中度・重度の3つに分類することができます。
口を大きく開け、舌先を上顎につけるようにしたとき、口の大きさに対して半分位上あげられたら軽度です。1/2以下しか上がらない場合は中等度となります。さらに、舌を上にあげようとしても。下顎の歯よりも上がらない場合は重度と判定しています。
軽度の場合はラ行を速く言うと舌がもつれる感じがありますが、生活での支障はほとんどありません。中等度になると舌を前に出したときにハート形にくびれます。口の横に舌先をつけることができず、唇をゆっくりなめることも苦手です。ラ行がダ行ちかくに聞こえたり、早く言おうとすると舌がもつれることがあります。重度になると、舌を前にだそうとしても、下唇くらいまでしか出すことができません。中等度、重度の場合は、発音だけでなく摂食・嚥下機能に影響が出ることもあり、その際は治療が必要になります。
哺乳障害がある場合などは、新生児からでも手術を行うことが可能です。舌小帯短縮症の手術を受ける時期は舌小帯の短縮や機能障害の程度によって決められることが多いですが、舌小帯が伸びることはありませんので、早期発見と早期治療が重要と考えられています。
手術翌日の消毒と、約7日後の抜糸のために来院が必要です。ほかに、術後には機能訓練を実施することもあります。手術を行うことで舌の運動範囲を広くすることはできますが、発音機能が必ずしも改善するわけではありません。正しい発音をするために正しい舌の動きをするための機能訓練が必要です。この訓練は、舌の運動状態や発音の状態にもよりますが、抜糸後、1ヶ月に1~2回、術後3ヶ月程度を目安にトレーニングを行います。
舌小帯短縮症は、舌の裏側にあるヒダの異常で起こります。舌の動きに支障がでますが、軽度のものは多少発音の不具合がみられても治療の必要がないものもあります。一方、中度から重度の舌小帯短縮症で、摂食・嚥下障害(哺乳障害)や著しい発音障害がみられる場合は治療が必要です。早期治療が重要といわれていますが、治療が必要かどうか、どのタイミングで治療するべきかについては、医師に相談しながら決めていくようにしましょう。