記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
頚椎症性脊髄症は、加齢などで頚椎部が変形したことで脊髄が圧迫される症状です。発症すると手足にしびれが出たり、歩きにくくなったりします。この記事では、頚椎症性脊髄症の症状や治療で手術が行われる場合の2つの方法について解説します。
頚椎症性脊髄症は、加齢などで頚椎部が変形したことで脊髄が圧迫される症状です。肩や上腕、前腕や手指のしびれはもとより、脊髄が圧迫されるので、足にも症状があらわれて歩行障害が出てくることもあります。
症状がさらに進行すると、手術をしても以前のような生活を送るのが難しくなってしまうこともあります。このため、早めに医療機関を受診して医師の診察を受け、必要な検査を行った上で治療を開始することが重要です。
頚椎症性脊髄症を発症すると、脊髄が圧迫されたことで肩や腕、手足にしびれたり、感覚が鈍くなる症状がみられます。このため、箸がうまく使えなくなったり、洋服のボタンが止めにくくなったりします。また、脊髄が圧迫されているため、下肢にも症状があらわれ、足がふらつくなどの歩行障害があらわれることもあります。
50歳以降に発症しやすく、男性は女性の2倍発症しやすいと言われています。過去に激しいスポーツを行ったことがある人や、首に外傷を受けたことがある人、そして喫煙者も発症しやすいと言われています。
頚椎症性脊髄症が軽症の場合、最初は手術以外の治療法が行われます。ただ、その効果を得にくいため、半数近くは手術での治療に移行すると言われています。頚椎症性脊髄症の手術は、適切なタイミングに行わないと回復が見込めない場合があると言われています。歩けなくなってからではなく、手指を動かしにくい、手すりにつかまらないと歩きにくいといった症状が出始めてほどなく、まだ歩けるうちに手術を受けてこそ、より良い回復が期待できます。
頚椎症性脊髄症の手術は、病変の広がりによって代表的な2種類の方法(前方除圧固定術とも呼ばれる前方アプローチと、椎弓形成術という後方アプローチ)があります。
前方アプローチ(前方除圧固定術)の場合、脊柱管の直径が14ミリ以上で圧迫個所が2椎間までの場合に行われます。一方、後方アプローチ(椎弓形成術)は脊柱管の直径が13ミリ以下と狭い場合や、圧迫個所が3椎間以上のときに行われます。
頚椎症性脊髄症を発症すると、手指のしびれや歩きにくさといった症状があらわれます。手術をして治療する場合は、できるだけ早い段階で手術を受けることが重要です。このごろ箸を使いにくくなった、手すりにつかまらないと歩くのが怖いなど、気になる症状がみられたら、できるだけ早く医師に相談しましょう。