記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/1 記事改定日: 2018/8/3
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
仕事や学校などの環境や人間関係などが原因でストレス状態が続くと、うつ病などの心の病気を発症してしまうことがあります。ストレスを全てなくしてしまうことは現実的には不可能なため、心の病気の予防にはメンタルヘルスが重要です。この記事では、メンタルヘルスケアについて解説していきます。
メンタルヘルスとは、心の健康状態や、心の健康管理を指す言葉です。
近年さまざまな事情から、うつ病などの心の病を発症し、心が健康な状態=メンタルヘルスを損なう人が増えてきたことによって、このような考え方が生まれました。
心の病気になる前にストレスをコントロールして環境に適応し、心の健康を管理する方法として「メンタルヘルスケア力」を身につけることが推奨されています。
メンタルヘルスをケアするには、心の病気の原因と考えられているストレスをためないように、うまくコントロールする術を身につける必要があります。
ストレスとは、外部から何らかの刺激を受けたときに精神が緊張した状態になることで、ストレスになり得る刺激には、自然現象や対人関係、環境変化などが含まれます。
メンタルヘルスケアには、自分がストレス(刺激)を感じる原因と、ストレスを感じているときの兆候を知ったうえで、ストレスを減らす習慣を持つことが効果的とされています。
ストレスを感じたら深呼吸をする、考え方を変えて自分を許してあげる、休息を取って環境を変えて気分転換するなど、ストレスを回避する工夫を日常の中に取り入れていきましょう。
心の病気を予防するには、まずは自分でメンタルケアを行う習慣を身につけることが大切です。
第一に行うべきことは、自身のメンタル状態を正しく把握することです。メンタルの不調は目に見えてはっきりした異常が現れないため、本人や周囲が気づかないことも多々あります。しかし、漫然とした不安感やストレス、疲れなどがある場合にはメンタルに不調を来たしている可能性があるため注意が必要なのです。そのためにも、自身の状態を把握し、無理のない生活を送るようにしましょう。
また、適度なストレスの解消を行い、趣味や運動などの時間を持てるようにするのもおすすめです。悩みを相談できる家族や友人、同僚などを持つのもよいでしょう。
心の病気は、身体の病気と同じように、誰にでもかかる可能性があります。多くの人が発症しているにもかかわらず、心の病気は身体の病気と違って症状が見えにくく、本人も周囲も発症に気付きにくいというのが特徴です。
心の病気は身近な病気ではありますが、まだまだ理解度は低く、症状や治療について間違って理解をしている人も少なくないでしょう。
かつて心の病気は、発症すると通常の社会生活や仕事が困難になり、治療して回復することは難しいと考えられていた時期があったといわれています。しかし、近年では副作用の少ない治療薬の開発も進み、投薬治療を受けながら今まで通り働いたり、普通の社会生活を送ることも可能とされています。心の病気は、身体の病気と同じように回復の可能性がある病気です。
心の病気の治療を成功させるには、本人と周囲が病気について正しく理解し、適切な治療を受けられる環境を作っていくことが大切になってきます。
メンタルヘルスケアを意識し日常生活でストレスをためない工夫をしていても、ストレス状態が改善しないときもあります。
気分が落ち込む、何をするにもやる気が出ない、食欲がわかない、眠れないなど、心の病気が疑われる初期症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
心の病気も身体と同様、早期の発見・治療であるほど、早い回復が見込めると考えられています。自分自身で気づけなくても、周囲から気になる症状を指摘された場合は、悪化する前にできるだけ早く専門の医療機関を受診してください。
心の病気は特別なものではなく、風邪などと同じように、誰にでもかかる可能性のある病気です。心の病気の原因となるストレスすべてを避けることはできませんが、メンタルヘルスケアの知識があれば、心の病気を予防することはできます。予防方法を知って、日ごろから実践していきましょう。