記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
2018/1/31
記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
ホワイトニングは、薬剤を使って歯を白くする治療です。歯科医院以外でも受けることができますが、歯科医院で受けるホワイトニングと何が違うのでしょうか。ホワイトニングの効果を出しやすくする対策とあわせて解説していきます。
ホワイトニングは、審美歯科や美容歯科の一種であり、専用の薬剤などを使って、歯を白くする治療のことです。
ホワイトニングは、消毒薬のオキシドールにも使われる過酸化水素の作用で、歯に沈着した色素を分解する作用を利用しています。色素が分解されることで、歯の黄ばみなどが目立たなくなるのです。
ホワイトニング施術は、黒ずんだ歯に対しては効果が出ないことが多いです。転んで地面に歯を強くぶつけたりして、歯の神経が死んでしまうと、色のトーンが落ちて灰色っぽく見えることがあります。そうした歯は、ホワイトニング効果が現れにくくなってしまうかもしれません。
炭酸飲料やフレッシュジュースなど、酸性の飲み物を飲む機会が多い人は、歯の表面の硬いエナメル質が溶けて薄くなっているおそれがあります。そうした歯も、ホワイトニング効果が出にくいといわれています。
また、高齢者の歯には、長年にわたる色素沈着が蓄積していたりします。このような長期経て蓄積した色素沈着はホワイトニングを何度か繰り返さなければ、十分な効果が得られにくい場合があります。
近年、歯科医師資格のない業者による「デンタルエステ」などの店舗でホワイトニングが行われることが増えてきています。また、「セルフホワイトニング」と呼ばれる薬剤を使って、自宅で自身によるホワイトニングを試みることができるようになってきました。
しかし、歯科医でない無資格の人が扱える過酸化水素の薬剤は、濃度が低いのためホワイトニング効果も限定的になります。一時的に歯が白く見えることもありますが、これは表面の汚れが取れて若干白く見えるだけで、歯自体が漂白されて白くなっているわけではありません。
つまり確実に歯を白くしたい場合は、濃度が高い薬剤を使える審美歯科に相談することをおすすめします。
審美歯科でホワイトニングを受けるときは、効果を最大限に引き出すために事前にしっかりと歯磨きをして、歯の汚れや歯垢をとっておきましょう。デンタルクリーニングで歯石除去を受けておくとさらに効果を得やすくなります。
また、コーヒーやワインなど、歯に色素が沈着しやすい飲み物も、できるだけ控えることをおすすめします。そしてホワイトニング後は、牛乳、ヨーグルト、チーズなどのカルシウム豊富な乳製品を積極的に摂り、歯のエナメル質を強化するようにしましょう。
歯科医院以外のデンタルエステで施術を受けたりすることは、リーズナブルに歯を白くできるようでいて、それほど効果が得られないことが多いといわれています。確実に歯を白くするためには、審美歯科などを設けた歯科医院で受けることをおすすめします。
そしてホワイトニングを受ける前には、歯みがきやデンタルクリーニングを受けるようにしましょう。