正しい水分補給の仕方を知って夏バテを防止しよう

2018/1/25

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

夏バテは、夏の暑さが原因で起こる疲労感や食欲不振のことです。予防のためには水分補給が重要になってきますが、どのように水分補給すればいいのでしょうか。この記事では、夏バテ予防のための水分補給のやり方を解説しています。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

夏バテってどんな状態?

夏バテとは、夏の暑さによって引き起される体調不良のことです。日本の夏は高温多湿で、体に負担がかかります。また、夏はエアコンの効いた室内と、気温の高い屋外で温度差が激しいため、自律神経が乱れやすいことが夏バテの原因だといわれています。

夏バテの症状として、代表的なものを2つあります。一つ目が、倦怠感と疲労感です。夏バテによって体がだるく、疲れが取れにくくなり、夜の暑さによってなかなか眠ることができずに、睡眠不足になってしまうことで起こるといわれています。また睡眠不足が原因で、さらに倦怠感や疲労感が増えるという負のスパイラルに陥ることもあるのです。
2つ目が、食欲不振です。自律神経が乱れると食欲が減退します。食事を十分に摂れないことでエネルギー不足になり、だるくなったり、疲れが残ってしまいます。

知っているようで知らない、水分補給の大切さについて

人の身体の約60%は水分(体液)が占めており、体にとって非常に重要な役目を果たしています。水分の役割は大きく3点あります。
1点目が、必要な栄養素や酸素を体内に運ぶ役割です。食べたものの消化や吸収のためには、水分が必要になります。
2点目が、老廃物を運び出す役割です。水分不足になると、体内の不要物がうまく体外へ排出されません。
3点目が、体温を一定に調整する機能です。夏場の暑い時に、水分不足になると体温調整ができずに、熱中症になってしまうリスクが上がります。

このように水分は非常に重要な役目を果たしており、水分が不足すると、ふらつき、めまいなど身体によくない影響がでます。水分不足ならないためにも、一日当たり約1.2リットルを目安に水分補給をするようにしましょう。

正しい水分補給の仕方とは?

水分不足対策の基本は、食べることです。水分をたくさん飲めばよいと思うかもしれませんが、一気に大量の水分を摂取したとしても、体に貯めることができずに、体外へ尿として排出されてしまいます。まずは食事をしっかりとるようにしましょう。
夏バテ時は、食欲が低下して食事が十分にできないことがありますので、とくに注意してください。

また、こまめな水分補給も重要です。のどの渇きを感じる前、30分に1回、コップ1杯を目安に補給し、水分不足予防をしましょう。夏場や激しい運動時など、大量の汗をかくときに水分補給するのはもちろんですが、ウォーキング等の汗をあまりかかないような軽い運動でも水分不足になることがあります。
これは、筋肉を動かすときに水分が使われるためです。このようなときは真水ではなく、スポーツドリンク(アイソトニック飲料やハイポトニック飲料)で水分補給をしましょう。

体液は水分と塩分からできています。真水だけで水分を補給すると、体液が薄まってしまい症状が悪化することがあります。脱水症状が重く、嘔吐や発熱、過度の発汗を伴う場合には、経口補水液を飲み、早急に病院を受診するようにしてください。

おわりに:適切に対策をして夏を乗り切ろう

日本の夏は、高温多湿やエアコンによる温度差など非常に過酷です。夏バテになってしまう方も多いでしょう。夏バテ対策のためには、しっかりと食事をとること、こまめに水分補給をすることが大切です。しっかりと対策をして夏を乗り切りましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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