記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/14 記事改定日: 2019/3/25
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
勃起不全はストレスや加齢だけが原因と思っている人もいるかもしれませんが、実はケガや病気が原因で発症することもあるんです。
この記事では、ケガや病気などがきっかけになる神経障害が原因の勃起不全について解説します。
勃起不全は加齢やストレスが主な原因として知られていますが、勃起する神経がうまく機能しなくなる「神経障害」が原因になることがあります。
たとえば、不規則な食事や運動不足、アルコールの摂りすぎや喫煙などが勃起不全の原因となることがあります。これは動脈硬化が原因で神経に血液が行き渡らなくなることで起こる勃起不全であり、糖尿病や高血圧、脂質異常症の人に多いトラブルです。
また、脳出血、脳腫瘍、脳の外傷、パーキンソン病やアルツハイマー病がある場合、神経の働きが正常に行われなくなるため、脳が性的刺激を受けてもその信号を陰茎に伝えることができなくなり、勃起不全を起こすことがあります。
そのほか病気だけでなく、外傷も勃起不全の原因のなります。交通事故を始めとする外傷の中で最も多いものは骨盤骨折や脊椎損傷ですが、これらは勃起に関係した神経の損傷の原因になるからです。
前立腺がんや膀胱がん、直腸がんなど、骨盤内の臓器を摘出、切除する手術を受けたときに、陰茎海綿体の血管や神経を損傷してしまうと手術後に勃起不全になることがあります。
とくに病状が進行しているときは広範囲にわたって臓器を取り出すため、その近辺にある陰茎海綿体の血管や神経に影響が出てしまう可能性が高くなります。
なお、最近では手術後に勃起不全とならないように、臓器を摘出、切除する手術でも必要最低限の部位のみを取り除くようになってきています。
病気による神経障害が原因の勃起不全は、その病気の治療を行うことで改善できる可能性があります。一方、外傷や手術などによって物理的なダメージが神経に加わった場合や病気による神経障害が長期化した場合には、神経を修復することは困難なため勃起不全の改善が難しいケースがほとんどです。
治療は、原因となる病気の適切な治療が最優先で行われ、神経修復効果が期待できるビタミン剤などが使用されます。また、必要に応じてED治療薬が使用されることもありますが、神経障害が原因の場合には効果がないケースも少なくないため、自己判断で市販の治療薬を服用せずに必ず医師の処方の上で服用するようにしましょう。
勃起不全はストレスや加齢だけでなく、交通事故によるケガや前立腺がんや膀胱がんといった病気の治療がきっかけで発症することもあります。また、脳出血や脳梗塞などで脳神経に異常がみられた場合にも発症することがあります。疑問や不安があれば、恥ずかしがらずに医師に相談してみましょう。