記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/8 記事改定日: 2019/4/1
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
耳鳴りは疲労やストレスだけでなく、難聴が原因で起こることもあります。
この記事では、難聴が原因の耳鳴りの治療方法について解説しています。自分や家族が耳鳴りに苦しんでいるのなら、症状改善のために役立ててみてください。
突発性難聴とは、何の前触れもなく突発的に起こる難聴のことをいいます。
耳鳴りや難聴は、主に50歳代から起こり、高齢になるほど頻度も高まります。しかし最近は、突破性難聴は20歳代や30~40歳代の患者が増えているといわれているので、聞こえ方に違和感がある場合は年齢に関係なく早めに耳鼻科を受診しましょう。
難聴の程度は個人差がありますが、多くの場合は片方の耳だけ聴こえにくくなり、同時にめまいや吐き気を感じることもあります。発症の原因は、ウイルス感染や内耳の血液循環の悪化などの説が有力とされています。
老人性難聴では、耳鳴りや難聴などの症状が起こります。原因は、老化で内耳の蝸牛にある有毛細胞が壊れることと考えられています。
老人性難聴は、両方の耳で難聴が起こりやすく、周囲の雑音や音楽があると、相手の声が聴き取りにくくなります。有毛細胞は、一度壊れると二度と修復ができません。
そのため、老人性難聴の回復は非常に難しいといわれています。
耳鳴りを確実に完治させる治療法は、今のところありません。しかし、様々なアプローチにより症状を緩和・改善することができるようになりました。その方法をいくつか紹介します。
音響療法は、補聴器のような器具で小さな音を流して耳鳴りを気にならなくする方法です。他の音にまぎれることで、耳鳴り自体をあまり気にしなくて済みます。
ストレスや悩みなどが原因で起こる耳鳴りで、医師とのカウンセリングで心のケアをしていきます。耳鳴り自体がストレスになり、さらに症状を悪化させる可能性もあるため、ある程度症状が回復するまで、カウンセリングは継続して行う必要があります。
TRT療法は、音響療法とカウンセリング療法を組み合わせたものです。耳鳴りに対する正しい知識と、他の小さな音で耳鳴りに慣れることを目的とする治療法です。
耳鳴り自体をネガティブに捉えすぎてしまうと、生活を悲観しすぎてしまうことになりかねません。認知行動療法は、耳鳴りへの考え方を変える治療です。耳鳴りがあっても日常生活がおくれるということを理解して、心的負担を軽くしていきます。
補聴器は低下した聴力を補って日常生活上の支障を軽減するための医療機器です。耳鳴りの中には、難聴が原因で引き起こされているものも多く、補聴器で聞こえにくくなっている音域をカバーすることで耳鳴りが改善することも少なくありません。
また、最近では、不快にならない程度の音を連続的に発することで耳鳴りへの注意をそらす「音響療法」を行うことができる補聴器も多く販売されています。耳鳴りが気になって日常生活に支障があるような場合には、これらのタイプの補聴器を使用することも考慮に入れて医師と相談しながら治療を進めていきましょう。
耳鳴りはストレスや疲労が原因の場合もあれば、難聴が原因の場合もあります。難聴が原因の耳鳴りを治すのは難しいですが、治療法が全くないというわけではありません。医師に相談しながら、自分にあった方法で耳鳴りを治療していきましょう。