横紋筋融解症になるとどんな初期症状がみられる?対処法は?

2018/10/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

骨格筋の細胞が壊死したり溶けたりする「横紋筋融解症」になると、どんな初期症状が現れるようになるのでしょうか。初期症状が現れたときの適切な対処法と併せて解説します。

横紋筋融解症ってどんな病気?

筋肉は平滑筋と横紋筋という2種類に分けられます。平滑筋は、内蔵や血管壁にある筋肉で、自分の意思で動かすことはできません。たとえば、食道、胃や腸の蠕動(ぜんどう)運動や子宮の収縮などは平滑筋が作用しています。

一方の横紋筋は、さらに骨格筋と心筋に分けられます。骨格筋は、体を動かすための筋肉であり、心筋は心臓を動かす筋肉です。心筋は平滑筋と同様に意思で動かすことはできませんが、骨格筋は自分の意思で動かすことができる筋肉です。

横紋筋融解症は、横紋筋の中でも骨格筋の細胞が壊死したり溶けたりしてしまうことで、筋肉に痛みが生じたり、力が入らなくなったりする病気です。また、血液に溶け出したミオグロビンによって腎不全が引き起こされ、最悪の場合には命を落とすこともあります。

腎臓は有害な物質をろ過して体に必要なものは再吸収し、不要になったものや体に害のあるものは尿細管を通って尿として排出する機能をもちます。しかしミオグロビンが尿細管につまれば体に不要なものを排出できなくなり、急性腎不全を起こし、全身状態の悪化につながります。

横紋筋融解症の初期症状ってどんなものがあるの?

横紋筋融解症の初期症状は筋肉にみられます。特にひざから足首までの下腿(かたい)部を中心に起こることが多いとされています。自覚症状としては、以下のようなものがあります。

  • 筋肉が痛む
  • 手足がしびれる
  • 手足に力が入らない
  • こわばる
  • だるい
  • 尿の色が褐色になる

横紋筋融解症の治療は、早期に開始することが大切です。原因が何であるかを判断し、治療が必要かどうかを早期に判断することが、重症化を防ぐことに繋がります。もし、普段と違う違和感を感じた場合には、医療機関を受診しましょう。

横紋筋融解症を発症する原因となるものは?

横紋筋融解症には、さまざまな要因があると考えられています。一部の薬剤の副作用やアルコールの過剰摂取、過度の運動、そして近年の猛暑で注意がうながされている熱中症も原因となる可能性があります(同じような状況でも、患者さんによって横紋筋融解症になるかどうかは異なります)。加齢や高血圧、糖尿病、肝疾患や腎機能障害などの患者さんそれぞれの体質や過去の病気も、横紋筋融解症のリスク因子となっています。

また、大きな事故などで四肢が圧迫されて起こる挫滅(クラッシュ)症候群でも、横紋筋融解症が引き起こされます。長時間にわたって強い力で圧迫されると、圧迫された部分の筋肉が壊死してミオグロビンや高濃度のカリウムが血中に溶け出します。圧迫されていれば、全身に広がることはありませんが、圧迫が外れれば一気に血液が全身に流れだすため、出血やショック、腎不全など重篤な症状につながります。

横紋筋融解症の初期症状かも!と思ったときの対処法は?

横紋筋融解症は早期診断が大切です。軽症なら水分補給で改善されることもありますが、腎不全に対して血液透析が必要となることもあります。横紋筋融解症は重症化すれば、命を落としたり重度の障害を残したりすることがある症状です。普段感じたことのない症状がある場合は、早期に病院を受診することが望まれます。

おわりに:横紋筋融解症は命に関わることもある。いつもと違う痛みがあるときは病院へ

横紋筋融解症は、全身の筋肉の細胞が溶け出してしまうという病気です。手足に力が入らなくなったり、しびれや痛みが生じるだけではなく、多臓器不全によって命にも関わる病気です。さまざまな要因はありますが、熱中症やアルコール摂取、運動など、比較的身近なものが引き金になることもあります。早期に診断や治療を開始できれば、重症化を防ぐことにもつながります。普段感じたことのないしびれや痛みがある場合は、医療機関を受診しましょう。

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