筋肉が溶ける?「横紋筋融解症」はどんな症状が起こる病気か

2017/12/28

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

横紋筋融解症とは、横紋筋という心筋や骨格筋を構成する筋肉が壊れてしまう病気です。赤褐色の尿や筋肉痛や脱力などの症状が現れ、重症化すると腎不全を発症するおそれがあります。横紋筋融解症の症状を正しく理解し、治療のタイミングを逃さないようにしましょう。

横紋筋と横紋筋融解症

心臓の心筋は横紋筋であり、骨格筋と呼ばれる体を動かすための筋肉は横紋筋に属しています。横紋筋融解症とは、この横紋筋がなんらかの原因によって壊れてしまうことで、腎臓をはじめさまざまな臓器に影響が出てしまう病気のことです。

横紋筋融解症の原因

横紋筋融解症の原因は、外傷性と非外傷性に大きく分けられます。

外傷性の原因

短距離走のような急激に負荷がかかるスポーツやマラソンなどの激しいスポーツによって筋肉が虚血状態になり、血液が供給されない虚血状態が起きることが原因として挙げられます。また、全身性痙攣や強い圧迫を受けたときの損傷が原因になることもあります。

非外傷性の原因

非外傷性の原因として挙げられるのが、お酒の飲み過ぎや、ウイルスや細菌による感染症、低カリウム血症、低リン血症、薬剤などです。薬剤が原因となって横紋筋融解症を引き起こすことは少ないとされていますが、まれに脂質異常症治療薬や抗菌薬、消炎鎮痛剤などが原因で横紋筋融解症になることがあります。

症状はどのように変化していくか

横紋筋融解症を発症すると、筋肉痛や筋力低下、脱力や麻痺などが現れ、赤褐色の尿が出るようになります。これらは横紋筋が壊れることで起こる症状であり、横紋筋の損傷度合によって症状の出方は全く違ってきます。

赤褐色尿は血尿にも見えますが、赤いのはミオグロビンという物質が尿に排出されてしまうためです。赤褐色尿は横紋筋融解症特有の症状ですが、血尿にしても赤褐色尿にしても健康時にこのような尿がでることはありません。このような尿が出たときは早期の治療が必要です。
治療が遅れて病気が進行してしまうと、増加した血液中のミオグロビンが腎臓の尿細管を塞いでしまい、腎不全を引き起こしてしまうリスクがあります。

おわりに:重症化すると多臓器不全になることも。赤褐色尿など特徴的な症状があるときはすぐに病院へ

横紋筋融解症が重症化すると、急性腎不全をはじめとする多臓器不全を引き起こす場合があります。急性腎不全は治療によって回復することもありますが、悪化が進めば透析が必要になるため、早期の治療が重要です。赤褐色尿が出たときや、思い当たる原因がない筋肉痛、脱力、麻痺などがあるときは、すぐに病院を受診するようにしましょう。

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