記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/13 記事改定日: 2020/5/21
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手湿疹は、別名「主婦湿疹」とも呼ばれる手や指にできる皮膚炎で、水仕事をしている人に多くみられます。小さなぶつぶつや水疱、痒みなどの悩みが続くことがあります。この記事では、手湿疹について原因や症状についてわかりやすく解説しています。病院での治療法やセルフケア、予防方法についても紹介しているので、参考にしてください。
手湿疹とは、洗剤などの刺激や、家事などによる物理的な外部刺激によって、手のひらや指に発症する皮膚炎です。
人間の皮膚は、皮脂によって潤いが保たれています。ところが、水仕事などで何度も皮脂を水で流してしまうと、肌が乾燥し、外部刺激を受けやすい状態になります。
手は皮膚が厚いので、顔などに比べると乾燥や外部刺激に強いのですが、その分皮脂の分泌が少なくなっています。水仕事などで皮脂がなくなってしまうと、皮脂はなかなか回復せず、乾燥した状態が続きます。その結果、外部刺激に反応して炎症を引き起こしてしまいます。
手湿疹は上でも述べたように洗剤や水などによる手の刺激を受けやすい人が発症する病気です。そのため、洗剤や水に触れる機会の多い主婦がなりやすいことから、一般的には「主婦湿疹」と呼ばれることも多い病気です。
また、主婦の他にも、
などの職業の方も手湿疹を発症しやすいとされています。
手湿疹と似たような症状に、ひびやあかぎれがあります。ひびやあかぎれと手湿疹はどのような違いがあるのでしょうか。
手湿疹とは外部刺激による手の炎症です。手全体に痒みやあかみ、かぶれが発症する原因に、外部からの刺激が存在しています。一方、ひびとあかぎれの原因は下記のようなものです。
手湿疹の治療は、外用薬と内服薬による治療を行います。
ステロイド外用剤と保湿剤が使われます。ステロイド外用剤は、炎症を鎮静化する働きがあります。注意すべき点としては、ステロイド外用剤はあくまで炎症を抑えるための薬であって、病気を治すためのものではないということです。
手湿疹を治すためには、保湿ケアを行って手の乾燥状態を改善していく必要があります。そのためには、保湿剤で乾燥した肌をケアして、皮膚のバリア機能を改善してます。
抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、漢方などがあります。
痒みを抑える作用があり、飲み続けることで痒みの頻度を少なくする作用が期待できます。
血の巡りをよくしたり、冷えを改善することで、皮膚の回復を促し湿疹ができにくい体質へ近づける効果が期待できます。
手湿疹対策として日常生活で気をつけるポイントは、なるべく手の負担を軽減することです。炊事や洗濯という水まわり作業の仕方を工夫することで手の乾燥を防ぎ、手湿疹を予防しましょう。
水や洗剤に触れる時間をなるべく少なくするのがポイントです。皿洗いの際は、水洗いする前にある程度汚れをふき取っておいたり、食器を洗剤に漬け置きしておくことで、手が水にさらされる時間が減らせます。
水仕事をするときは、ゴム手袋を付けて肌を守ることがおすすめです。
皮膚の油分を奪い乾燥の原因になりますので、お湯はなるべく使わないようにしましょう。
水仕事の後は、保湿クリームなどを活用してしっかりと保湿するようにしてください。
手湿疹は洗剤や水による頻回な刺激が原因となって引き起こされるため、上でご紹介したようなセルフケアを続けていけば症状も次第に改善していきます。
ですが、重症な手湿疹はセルフケアのみでは対処できず、皮膚科などでの治療が必要になることがあります。とくに次のような状態の手湿疹はセルフケアのみでは治らない可能性がありますので注意しましょう。
手湿疹は、水仕事をする機会が多い人によくみられる皮膚炎です。水仕事のやり方を工夫することで発症を予防しましょう。特に保湿は大切ですのでこまめに行うことをおすすめします。手湿疹の症状がひどい場合には、なるべく早めに皮膚科を受診するようにしましょう。