記事監修医師
前田 裕斗 先生
2026/1/14
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠中・出産後に体質が変化したり、何らかの症状に悩まされたりすることもあると思います。産後には薄毛に悩まされる人もいると思いますが、産後の薄毛は出産を経験した女性の大半が経験しているといわれています。この記事では、産後の薄毛の特徴とセルフケアのポイントについて解説していきます。
出産後に薄毛になることがあるのは、ホルモン分泌量の変化が影響していると考えられています。妊娠中は、女性ホルモンの「エストロゲン」や「プロゲステロン」が増加しますが、出産するとこれらのホルモンが一気に減少します。妊娠中に女性ホルモンが増加すると、髪の成長が促されて抜け毛は減少しますが、出産して女性ホルモンが一気に減少すると抜け毛が多くなります。また、人は生命維持に重要な部位から優先的に栄養が供給されるといわれています。出産後は栄養が母乳に優先されるため、頭皮に栄養が回らなくなり、その影響で薄毛が増える場合もあります。
出産後に発症する脱毛症のことを、分娩後脱毛症といいます。分娩後脱毛症は出産後の女性の約6割に発症するとされ、出産後2~4ヶ月後から始まります。女性ホルモンの分泌量の低下とともに抜け毛が増え、産後7ヶ月頃のピーク時には束で抜けてしまうこともあります。一般的には、体調も安定して、子育てにも慣れて生活リズムが安定してくる産後1年くらいから落ち着いてくるといわれています。ただし、1年以上続く場合もあり、慣れない育児のストレス・睡眠不足・食生活・生活習慣などの影響により、回復が長引いてしまう場合もあります。なお、高齢出産の影響でホルモンバランスの回復が遅くなり、回復が遅れることもあるといわれています。
分娩後脱毛症は、ホルモンバランスが回復して生活リズムが安定すれば、自然に治まるといわれています。そのため、基本的にはすぐに医療機関を受診する必要はないでしょう。ただし、過度な抜け毛があったり、1年以上経過しても回復が見られない抜け毛があったりする場合は、専門的な治療が必要になる可能性があります。早めに医療機関に相談することをおすすめします。
まずは婦人科を受診することをおすすめしますが、脱毛だけでなく、頭皮の炎症・フケなどを併発している場合には皮膚科に相談してみてください。なお、精神的なストレスなど、ホルモンバランス以外が原因で抜け毛が起こっている可能性もありますが、まずは婦人科で相談して原因を調べてもらい、適した診療科を紹介してもらいましょう。
産後の薄毛の予防・回復を促すためには、ホルモンバランスが整いやすくなるように規則正しく健康的な生活を心がけ、頭皮への負担を軽減することが大切です。また、疲労やストレスが溜まらないようにするため、育児中であっても十分な休息・睡眠時間をできるだけ確保するようにして、リフレッシュ・リラックスできる時間を設けるようにして、栄養バランスの整った食事を3食しっかり摂ることも心がけるようにしてください。頭皮の負担を軽減するためには、低刺激のシャンプーを利用したり、パーマ・カラーリングを控えるなどの対策がおすすめです。
なお、髪の毛が薄くなると、それ自体がストレスになる場合があります。産後の薄毛は一時的なものであることが多いので、ヘアスタイルをアレンジしたり、ウィッグや帽子を活用するなどしてうまく隠しながら対処していきましょう。
出産後の薄毛の多くは、ホルモンバランスの回復とともに回復するといわれています。過度に気にしないようにして、うまく対策しながら回復を待つことをおすすめします。ただし、薄毛以外の症状が現れていたり、長期間症状が続く場合は、早めに婦人科に相談しましょう。