記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/13 記事改定日: 2019/9/17
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
筋トレも有酸素運動も、それぞれ目的が異なります。筋肥大を目指すか脂肪を燃焼させたいかによって、トレーニングメニューは変わってくるのです。
この記事では、筋トレと有酸素運動の基礎知識と、筋肥大を目指す人におすすめのトレーニングメニューについて解説していきます。
運動やトレーニングをしている人の中には、筋肉を強く大きくする「筋肥大」を目的としている人もいるでしょう。
筋肥大とは、簡単に言うと、筋線維を太く成長させることです。
トレーニングの負荷などで傷ついた筋繊維は、一部が切れてしまっている状態になりますが、栄養と休息によって回復します。
このときの回復で、以前より少し筋繊維が太くなることを筋肥大といいます。筋肥大を繰り返すことで、筋肉はどんどん大きくなっていきます。
脂肪燃焼 ― いわゆる減量を目的にするのであれば、筋トレのあとに有酸素運動をするのは効果的といえるでしょう。しかし、筋肥大を目指す場合は、この順番では逆効果になります。
筋肥大には、瞬間的に大きな力を発揮する「速筋」を活性化する必要がありますが、筋肉トレーニングの後に有酸素運動を行ってしまうと、長時間の運動を支える筋肉である「遅筋」の方が積極的に働いてしまいます。
さらに、筋肉トレーニングによって作られた乳酸が血液中に流れ出てしまいやすくなることも筋肥大を妨げる理由のひとつといえます。
これは、筋肉を強くする成長ホルモンが脳から分泌されるためには、筋肉にある受容体が乳酸を察知する必要があるとされているからです。
筋肥大を狙うなら、トレーニング後はストレッチするぐらいか、「スロートレーニング」程度で抑えるようにしましょう。
「スロートレーニング」は、ゆっくりとした動作で力を入れっぱなしにするトレーニングであり、筋肉の緊張状態をキープしながら行います。
たとえばスクワットの場合、勢いよく立ち上がるのではなく、「ゆっくりと動いて、完全に立ち上がりきらないまま、またしゃがむ」というような動作をすることになります。
ぐっと力を込めると、筋肉は硬くなり、血管を押しつぶして血液の流れを阻害します。すると、血液によって運ばれる酸素も少なくなり、有酸素運動のときとは逆に、筋肥大が刺激されるような低酸素の環境を作ることができるとされていることが、スロートレーニングは筋肥大に役立つと考えられている理由です。
プロテインは筋肥大を促す効果があり、効果を高めるには「摂取するタイミング」が重要です。
一般的には筋トレなどの運動後の摂取がすすめられていますが、運動中も筋肉へのダメージは生じますので運動1時間ほど前に摂取しておくと筋肉の分解を抑えることができます。
また、就寝中は筋肥大のために必要なタンパク質を補うことができませんので、就寝前や起床後などもよいタイミングといえます。
ただし、プロテインは飲みすぎるとカロリーオーバーになるだけでなく、腎臓に負担をかけることもあるので、一日の摂取量を守りそれぞれの生活に適したタイミングで摂取するようにしましょう。
有酸素運動とは、ジョギングやウォーキング、エアロビクスや水泳など「負荷が軽めの動作」を、ある程度持続的に行うような運動を指します。酸素を多く取り入れながら体内の脂肪を燃焼できる運動のことです。
脂肪を燃焼させたい場合は、有酸素運動の前に筋肉トレをするのがおすすめです。
筋肉トレーニングをすると、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンには、体脂肪の分解を間接的に助けるはたらきがあり、脂肪の燃焼がより活発になります。
筋肥大よりも減量を優先させたいのであれば、有酸素運動の時間をより長めにとるとよいでしょう。
また、ウエイトトレーニングで筋肉内のグリコーゲンを枯渇させておくことで、有酸素運動をするときに効率よく脂肪が燃焼できると考えられています。
「有酸素運動」とは、酸素を多く取り入れながら、体内の脂肪を燃焼させていく運動のことです。有酸素運動は健康維持に役立つ運動ではありますが、筋肥大には邪魔になってしまうことがあります。
といった感じに、目的ごとに運動メニューを変えるようにしましょう。