記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2018/7/27
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
緑内障は少しずつ視野が狭くなり、最終的には失明に至ってしまう病気です。緑内障を予防するためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。この記事では、緑内障の原因とともに、予防法について解説します。
緑内障は、何らかの原因によって視神経が障害を受けて徐々に視野が狭くなり、最終的には失明してしまう病気です。緑内障は発見が遅れることが多く、気づいたときには治療が難しいほど病状が進行していることもよくあります。これは、緑内障には目のかすみや痛みといった自覚症状がまったくないこと、また、症状がとてもゆっくり進行するためではないかと考えられます。また、目が2つあることも大きな原因のひとつです。私たちは一方の目が見えにくくなると、自然にもう一方の目で補おうとします。このため、見えにくくなっていたとしても自覚しづらいのです。
緑内障にはいくつかの種類があり、それぞれ発症する原因が異なります。
ほとんどの緑内障が後天的に発症しますが、発達緑内障は生まれつき隅角(房水[目の中を循環する液体]の通り道)が未発達で、眼圧が上がりやすいため発症します。
一般的に最も多くみられるのは原発開放隅角緑内障です。隅角が長い年月をかけて徐々に詰まるために発症します。この緑内障の特徴は、眼圧の上昇が比較的緩やかなため、進行も遅いことです。見方を変えると、自分では気づきにくい緑内障ともいえます。
もう一つ患者数が多いのが原発閉塞隅角緑内障です。こちらは隅角が急に塞がることが原因で発症します。このため眼圧が急上昇し、耐えられない目の痛みを訴えて救急車で運ばれることも多いです。急激に症状が進行するため、出来るだけ早く治療しないと短期間で失明する恐れがあります。
それでは、緑内障を予防するためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
最も効果的な予防法は、定期的に検査することです。これにより、眼の不調に早く気づくことが出来ます。また、緑内障は40歳を超えるから発症することが多いため、体内機能の衰えも発症原因のひとつと考えられます。そして、血液の状態が悪くなると不純物が多くなるため、血中の不純物が隅角をふさいで緑内障を発症させる可能性も否定できません。はっきりと効果があると立証はされていませんが、生活習慣を改善させることは健康維持する上でも良いことなので、予防策のひとつとして試してみてもよいと思います。
なお、ブルーベリーに含まれるアントシアニンが予防に効果的だと言われていますが、現在のところ医学的な根拠はありません。ただ、目にとって良い栄養素ではあるので、摂取すること自体は無駄にならないと思います。
原発開放隅角緑内障は症状の進行が遅いため、自分で異変に気づくのが難しいと言われています。緑内障は、治療が遅れると失明する恐れがありますので、定期的に目の定期検査を受けて、眼圧の異常がみられないかを確認することが大切です。