記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
耳管狭窄症とは、耳管(耳の中にある空気の通り道)が狭くなって、空気の通り道が狭くなってしまうことが原因で発症する病気です。この記事では、耳管狭窄症を発症した場合にどのような治療が行われるのかについて解説します。
鼻をかんだとき、耳の中に空気が通った感じがしたことがある人は多いかもしれません。これは鼻の奥から耳にかけて、左右1本ずつあるトンネルが空気を抜けるためで、このトンネルのことを耳管と呼びます。
耳管狭窄症とは、この耳管が狭くなって空気の通りが悪くなった状態のことです。鼓膜の裏に空気が閉じ込められていて、中耳の中の空気調節が非常に難しくなっており、外の空気との間に差が生じてしまうため、耳が詰まったような感じが強くなります。
耳管狭窄症になると日常生活で不快感があることが多く、また、片方の耳だけ音が聞こえにくくなるといった状態になります。悪化すると中耳炎も引き起こす恐れもあるため、早期治療が大切な病気として知られています。
耳管狭窄症を発症しているかどうかは、比較的簡単にわかります。日常的に耳が詰まっていて、頭を下に傾けるとその症状が少しおさまるときは、この病気に罹患している可能性が高いと言われています。
耳管狭窄症は、自然治癒が難しい病気のひとつです。治療法は、症状のきっかけになった原因によって異なります。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が原因だった場合、抗アレルギー剤や抗生物質で治療します。この場合、薬で原因となっている炎症をおさえることができれば耳管狭窄症も改善されます。
一方、体質の問題で慢性的に耳管狭窄症を発症している人の場合は、薬ではなく、風船のような道具を使って耳抜きのトレーニングを行って治療します。この治療法は薬と異なり、治療に長期間かかる可能性が高く、患者の体質次第で治療期間が左右されやすい特徴があります。
耳管狭窄症は放っておいても治るものではないため、原因が炎症などの場合は早期の治療が大切です。
耳管狭窄症の症状を緩和させる治療法はいくつかありますが、昨今では漢方も有効だということが認知されつつあります。基本的に、漢方薬は西洋医学の治療と組み合わせて行うことが良いとされていますが、これは耳管狭窄症の治療でも同じです。漢方薬を服用しつつ、耳鼻科のクリニックにも通って耳抜きトレーニングなどを行い、医師に経過観察してもらうことで、厄介な症状でも改善しやすくなります。
耳管狭窄症は自然治癒で治る病気ではないため、症状に合った薬を服用して治すことが大切です。耳管狭窄症を放置すると、中耳炎を引き起こす可能性もあるので、耳が詰まっているような感じが続いたら、早めに病院で診てもらいましょう。