記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
初夏の時期から気になってくるのが「汗の臭い」。今回の記事では、汗の臭いの緩和に効果的と言われている食べ物や飲み物をご紹介します。
実は、汗そのものに臭いがあるわけではありません。皮膚常在菌という皮膚の雑菌が不快な臭いを生成しているため、汗が臭っているように感じてしまいます。この菌は高温多湿で繁殖しやすく、発汗によってジメジメしている脇や足などに発生しやすいとされています。
汗腺には2種類あり、エクリン腺はサラサラした汗を分泌し、ほとんどが水分です。一方のアポクリン腺はベタベタした汗を分泌します。タンパク質や脂質など独特の臭いのもとになりやすい成分を含んでいるものです。
食べ物によって、汗の臭いに変化があることもあります。
まず肉類はタンパク質の消化にエネルギーを使うため、体温があがり、汗をかきやすくなります。このタンパク質や脂質を皮膚常在菌が分解することで臭いになることがあり、特に動物性脂肪はタンパク質が大腸に届くころに腐敗し、ニオイ成分を作り出します。
さらに、ニンニクは摂取するとアリシンという物質が作られます。口臭の原因にもなりますが、血液中に取り込まれて皮膚からも排出されると体臭の原因になります。
体臭を引き起こしやすい食べ物がある一方で、ニオイを抑えてくれる食べ物もあります。
ビタミンC、E、ベータカロテン、カテキン、ポリフェノールなどが多く含まれる緑黄色野菜、緑茶などは抗酸化食品であり、臭いを抑える働きをします。タンパク質や脂質の酸化を抑制し、酸化臭を防ぐことができます。
また、酢や梅干し、海藻類などのアルカリ性食品も、乳酸の産生をおさえて臭いを防ぎます。さらに腸内環境を整える食品も、腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らすため、臭い物質を便とともに排出することができます。
動物性タンパク質は、分解されるとアンモニアや硫化水素など臭いの強い物質をつくりだします。食べる量が多くなるほど、ニオイ物質が多く作られることになるので、食べ過ぎには注意が必要です。
野菜が苦手で、肉類、乳製品を中心に食べる人は注意しましょう。お肉料理は1食1皿までにおさえ、野菜料理を2皿以上食べるようにしてください。食物繊維が豊富な野菜や海藻を食べると良いでしょう。なお、タンパク質の代謝のためにビタミンB6が含まれたマグロやカツオ、レバーなどを一緒に食べると効果的です。
汗の臭いには、日頃の食事内容が大きく関連していると考えられています。臭いがきつくなるような食べ物の摂取は避け、野菜や海藻類を中心とした食生活を心がけましょう。