女性のデリケートゾーンのかゆみの原因には、どんなものがある?

2018/2/22 記事改定日: 2019/5/14
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

デリケートゾーンのかゆみに悩まされている女性は少なくありません。では、陰部のかゆみにはどんな原因が隠されているのでしょうか?対処法と併せて解説していきます。

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デリケートゾーンのかゆみの原因は?

陰部のかゆみは比較的ありふれた症状で、幾つかの原因が考えられます。部位的に湿った環境であるため、各種の雑菌感染による炎症が起こりえますが、特に多く見られるのはカンジダとトリコモナス原虫です。

かゆみの程度が強いときや、おりものの形状や色合い、匂いなどに変化が見られたときは、上記に感染している可能性があるので、病院に行くことをオススメします。

女性に多い腟カンジダとは?

先述の通りカンジダは体内の常在菌の一種で、病原性が弱く健常時には何の症状も起こりません。

しかし、抗生物質の使用で常在菌のバランスが崩れたり、糖尿病等で身体の免疫力が低下すると急激に増殖し、かゆみ等の自覚症状が出現するようになります。カンジダはカビの一種であることから、梅雨時や夏場に症状が出るという季節的傾向も見られます。

陰部が赤くはれてかゆくなる症状の他にも、おりものの形状も変化します。典型的な形状は、粒状とクリーム様のものが混在するオリモノです。

治療は抗真菌剤の内服や外用薬の塗布で行います。陰部の炎症が激しいときにはステロイド剤を使用します。注意すべきは、石鹸で陰部を洗い過ぎないことです。過度の洗浄は患部を悪化させるからです。

腟カンジダの再発治療薬

腟カンジダは市販薬で治療することも可能です。しかし、市販薬は再発した場合のみに使用するようにしましょう。

初めて発症した場合は、腟カンジダと思われる症状であっても別の病気の可能性もあります。また、腟カンジダになった原因も含めてしっかり病院で検査・治療をしてもらうようにしましょう。
再発の場合も、市販薬を使用しても症状がなかなか良くならない場合や、症状が強い場合は自己判断で市販薬の使用を続けず、病院で治療を受けることをおススメします。

トリコモナス腟炎とはどのような病気?

トリコモナス腟炎は、トリコモナス原虫が腟に感染することで発症します。男性では症状が殆ど出ないことから、感染した男性との性交渉を介して女性に感染することもあります。共有タオルや便座などが感染経路になっている場合もあるので、幅広い年齢層に患者が診られます。

症状としては、激しいかゆみや腟に灼熱した感覚が走る等の自覚症状が強く出る傾向があります。排尿時に痛みを感じることもあり、特に月経後に症状が悪化することが知られています。またおりものに顕著な変化が現れ、悪臭のする黄緑色を呈していたり、緑がかり細かい泡が混じる等の変化が観察されます。

治療では、フラジール®︎などの抗生物質を腟錠や内服薬で7-10日間ほど投与します。また再発防止のために、男性パートナーも同時に治療を受ける必要があります。

デリケートゾーンのかゆみの予防と対処法について

陰部のかゆみは、汗や蒸れ、下着との接触が刺激になり引き起こされます。また、性交渉で性感染症に罹ると、性器のかゆみが出現することが珍しくありません。ほかに、温泉やプールなどの施設では、トリコモナス菌などが付着した場所に接触したことで、トリコモナス腟炎に感染するリスクがあります。

このように、陰部のかゆみは複合的な要因で発症するわけですが、基本的には陰部を清潔に保つことが大切です。

ただし洗いすぎて常在菌のバランスを崩すと、逆効果になることもあるので、毎日下着を替え、汗をかく季節はこまめに着替える、性交渉時には避妊具をつける、といった地道なケアを大切にしましょう。

おわりに:かゆみだけでなく、おりものの変化も見られたら要注意!

陰部のかゆみがある場合、腟カンジダやトリコモナス腟炎などに感染している可能性があります。強いかゆみだけでなく、おりものの変化も見られたら、早めに婦人科を受診するようにしてください。また、日常的に陰部を清潔に保つことも心がけましょう。

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