記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
定期的に手の震えが見られる場合、病院を受診した方がいいのでしょうか?それとも放置していて大丈夫でしょうか?注意すべきタイプの震えなどについて、解説していきます。
緊張や周辺の筋肉の酷使により、一時的に手が震えてしまうことは珍しくありませんが、何度も繰り返し症状が出るようであれば、病気が潜んでいるかもしれません。
手が震える原因として、最も可能性の高いのは「本態性振戦(ほんたいせいしんせん)」という良性の病気です。約2.5~10%の人に発症し、手の震えや、震えの範囲が広がって生じる首の揺れ、声の震えなどの他に、目立った症状が出ないのが特徴です。
本態性振戦の他に、手の震えの原因として考えられる病気としては「パーキンソン病」「甲状腺機能亢進症」「脳梗塞」「多発性硬化症」など、複数の病気が挙げられます。特に、手の震えの他に手足のこわばりや転びやすくなるなどの症状がある場合は「パーキンソン病」を、多量の汗や動悸が出る場合は「甲状腺機能亢進症」が疑われます。
手が震える症状は、日常生活の改善である程度おさえることができると考えられています。まず、手の震えは心身の緊張によって起こる場合が多いので、震えが出たら深呼吸などでできるだけリラックスし、震えを気にしないように意識するのも有効な対処法になります。
また、カフェインや香辛料、アルコールなどの刺激物は症状を悪化させやすいと言われているので、人前に出るなど、緊張しそうな場面では摂取を控えると良いでしょう。
症状がひどく、日常生活に支障をきたす場合は、交感神経の働きを和らげるβ遮断薬の処方や、脳に微弱な電流を流す外科治療によって改善を図ることもできます。
ただし、前述したように手の震えには、重大な病気が潜んでいる可能性もあります。早めの受診が病気の早期発見・治療につながりますので、症状が長期間に繰り返し続くようであれば、ひとまず医療機関で診察を受けることをおすすめします。
本態性振戦や緊張による手の震えの場合、精神的要因や加齢が原因であることも多いです。
この場合は「手が震えている」と意識することで症状が悪化する傾向がありますので、原因によっては、過度に心配しないことで症状が改善する場合もあると覚えておきましょう。
ただし、震えがひどく日常生活に支障をきたしている場合、長期間にわたって症状が続いている場合、他に気になる症状が出ている場合は、病気が隠れているかもしれません。病気がみつからなくても原因がはっきりするだけで少し安心できますから、手の震えが気になっている方は、ぜひ一度病院で検査を受けてみてください。
手の震えは一時的なものであれば心配する必要はありませんが、長期間症状が続いていたり、他の気になる症状と一緒に出ている場合は、重大な病気が潜んでいる可能性もあります。良性であれ病気であれ、早期の原因発見と治療開始が大切なので、気になる症状がある人は、早めに病院を受診してくださいね。