記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/14 記事改定日: 2019/6/5
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「アルギニン」という栄養素をご存知ですか?アミノ酸の一種で、免疫力の向上や生活習慣病予防に効果的と考えられているのです。
この記事では、アルギニンの効果や1日の摂取量、過剰摂取のリスクなどについてご紹介していきます。
アルギニンは、私たちの体の機能を正常に保つのに必要なアミノ酸の一種です。
アミノ酸は、私たちの体のタンパク質を作っている成分で、種類はなんと20種もあります。そしてこの20種は、体内で作りだせない「必須アミノ酸」9種と、体内で作りだせる「非必須アミノ酸」11種に分かれています。
アルギニンは「非必須アミノ酸」ですが、体内で作りだせる量はごくわずかです。そのため、不足分を食事で補う必要があることから、“条件付きアミノ酸”や“準必須アミノ酸”と呼ばれることがあります。
アルギニンは、非常にたくさんの役割をもつアミノ酸で、おおまかに5つの効果が期待できます。
ほかにも
作用があると考えられています。
体内で生成する分だけでは不足しがちなアルギニンは、普段の食事からも意識して摂取していきたいアミノ酸です。アルギニンを多く含む食品としては、エビやマグロなどの魚介類や、大豆系の食品(納豆や木綿豆腐は除く)、豚肉や鶏肉などの肉類などが挙げられます。特に、魚介類であれば「しらす干し」、大豆であれば「大豆たんぱく」や「湯葉」、肉類であれば「豚ゼラチン」に多く含まれています。
アルギニンは目的に応じて、摂取するタイミングもとても重要です。運動による疲労回復が目的の場合は運動の前後に、成長ホルモンの分泌促進が目的であれば就寝前に摂取するとよいでしょう。
アルギニンは一日に2000~4000㎎の摂取が推奨されています。また、上で述べたような効果を得るためには炎症や傷などがある場合には5000~7000㎎ほどの摂取が効果的と考えられています。
凍り豆腐100gにつき4000㎎、しらす干し100gにつき2500㎎、豚肉100gあたり1500gほどのアルギニンが含まれていますので、目安にしましょう。
しかし、アルギニンは過剰に摂取すると腹痛や腹部膨満感、下痢などの症状を引き起こし、痛風を発症しやすくなることが分かっていますのでサプリメントなどからアルギニンを摂る場合には量には注意しましょう。
アルギニンは、私たちの体のタンパク質を作る大切なアミノ酸で、「成長ホルモンの分泌をうながす」「疲労回復のサポート」「免疫力の向上をサポート」「角質層の保湿」「生活習慣病の予防」などのはたらきが期待されています。体内では少量しか生成できないアミノ酸のため、魚介類・豆類・肉類などから意識して摂取していきましょう。