記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ダイエットサプリとしても注目されている「共役リノール酸」。この共役リノール酸には、脂肪燃焼効果があるとされていますが、それは本当でしょうか?共役リノール酸の持つ効果について、以下で詳しく解説します。
共役リノール酸は、不飽和脂肪酸の一種で、身体の組織に栄養を与えて元気にする作用があります。具体的には、脂肪を分解してエネルギーに変える酵素へ働きかけ、栄養を筋肉に送って代謝を活性化する作用を担っています。
共役リノール酸は体内では生成されず、牛や羊などの動物の胃でつくられています。摂取するためには、食事やサプリメントを活用する必要があります。
共役リノール酸には、大きく分けて3つの働きがあります。
まず、「脂肪を分解する酵素を活性化させ、脂肪を燃焼させやすくする」作用です。この酵素はリパーゼと呼ばれ、脂肪を細かく分解してくれます。
次に、肝臓や筋肉、脂肪組織で体に蓄積された「脂肪を燃焼」します。
最後に、脂肪細胞内へ余分な脂肪を取り込む酵素の働きを阻害して、「脂肪の蓄積を抑え」ます。
共役リノール酸には、次のような効果が期待されています。
まず、「筋肉増強効果」です。体脂肪を燃焼させる働きは、同時に筋肉を増加・増強させる効果があると報告されています。そのため、共役リノール酸をサプリメントで摂取しているアスリートやボディビルダーも多く存在します。
次に「動脈硬化の予防」です。共役リノール酸は抗酸化作用を持っており、血中の酸化LDLの蓄積を防ぐため、動脈硬化予防に役立つと考えられています。
最後に、「アレルギー反応の抑制」です。共役リノール酸には、アレルギー反応の原因となる物質の生成を抑える効果があります。また、免疫機能の改善にも役立ちます。
共役リノール酸は、ヤギや牛肉、チーズ、バターなどの乳製品、鶏肉、卵、ゴーヤなどに含まれています。調理油でも、オリーブオイルやキャノーラ油、大豆油、紅花油などに含まれます。ただ、ほとんどの食品には微量しか含まれないため、食事だけで摂り入れるのは限界があります。
肥満防止のために共役リノール酸を摂る場合には、次の4点を押さえることが大切です。1点目は、「エネルギーの摂取・消費バランス」です。運動不足に注意しましょう。2点目は、「動物性脂肪に偏った食事や糖分、アルコールの摂り過ぎを避けること」です。3点目に、間食や欠食、早食い、どか食いを避け、「1日3食」を心がけましょう。4点目に、「食物繊維の豊富な食品を食べ、良く噛んで食べる」ようにしてください。
あまり聞き慣れない栄養素の共役リノール酸ですが、意外に身近な食品に含まれており、脂肪燃焼や動脈硬化の予防にも役立つとされています。うまく食事に取り入れ、生活習慣を改めながら肥満や動脈硬化を予防しましょう。