記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
飲み会の前に、「ウコン」のサプリやドリンクを飲む方も少なくありません。では、なぜお酒を飲む前にウコンを摂取するといいのでしょうか?ウコンの主成分である「クルクミン」の効用について解説します。
日本では古くからウコンが肝機能に良いと伝えられ、酒の友として親しまれてきました。この科学的根拠は、ウコンの主成分のひとつであるクルクミンの働きにあります。
クルクミンは、ウコンから抽出される鮮やかな黄色い液体または粉末の主成分で、肝機能を助けるための食品・薬品の他、染料としても使われるものです。このクルクミンがアルコールの分解を促進し、肝臓の働きを助けると言われることから、飲み会の前にウコンを摂取すると身体と肝臓への負担が減るため、良いとされています。
また、近年ではアルコールの分解や肝機能補助の他にも、クルクミンに抗癌作用があるのではないかと考える研究チームもあります。このため欧米では、実際にクルクミンの抗炎症作用や抗癌作用を期待した研究も進められています。
肝臓は、身体にとって毒となるものを分解・排出する役割を担っています。この毒素を分解するために、肝臓は胆汁を分泌しますが、肝機能が低下すると胆汁の分泌が悪くなり、胆汁の分泌そのものも肝臓の負担になることから、肝機能は低下の一途をたどります。
しかし、ウコンの主成分であるクルクミンには、肝臓の解毒作用と胆汁の分泌の両方を促進させ、助ける効果が確認されています。
このように、ウコンの主成分であるクルクミンがもつ作用と肝臓の働きには密接なかかわりがあることから、ウコンが肝臓の機能を助けるとされているのです。
クルクミンには、前述した肝機能を助ける働きの他にも、抗炎症、殺菌、抗癌、コレステロール値の減少など様々な効果・効能が期待されています。これらの効果・効能により、今後は肝疾患以外にも以下のような病気の治療、または予防に応用できるのではないかと考えられ、研究が進められています。
・アルツハイマーやパーキンソン病など、脳に異常の出る病気
・血栓による、心筋梗塞や脳梗塞
・炎症性の関節疾患、皮膚疾患
・糖尿病
・白内障
・各部位の癌
クルクミンの効果やそのメカニズムは、まだ解明されていないことも多い領域です。今後研究が進めば、肝機能以外にも様々な疾患に有効な薬となるかもしれません。
現在は主に肝機能への作用が確認されているクルクミンですが、今後研究が進めば、さらに多くの効果・効能がみつかる可能性もあります。医師に相談し、詳しい作用や効果をよく理解したうえで、健康維持のために摂取してみてはいかがでしょうか。