記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
コーヒーなどに含まれる「クロロゲン酸」には、心臓や血管の疾患を予防する効果があると言われています。今回の記事ではその理由について、詳しく解説していきます。
クロロゲン酸とは、カフェインなどと並び、コーヒー豆に多く含まれる栄養成分です。ワインに含まれているポリフェノールの一種で、コーヒーの苦みのもととなっています。コーヒー以外では、ジャガイモやサツマイモの皮、ゴボウなどにも含まれる成分です。
効能としては、老化の原因となる活性化酸素を追い出してくれる抗酸化作用、脂肪の蓄積抑制と燃焼の促進、皮膚などの炎症を抑える抗炎症など、様々な効果が期待されています。
心臓・心臓付近の血管の詰まりによる心臓疾患・血管疾患は、発症すると短時間で心臓や周囲組織の壊死を招き、命にかかわる状態に陥る恐ろしい疾患です。
このような血管の詰まりは、血管の内側が何らかの理由で傷つけられて炎症を起こし、傷口を治そうと血液が集まって、血栓ができることで起こります。これは、皮膚に傷ができたときに患部にかさぶたができ、傷が治癒するのと同じ原理です。傷の炎症自体は組織修復のための正常な反応ですが、この炎症が大きくなるほど血栓ができやすくなり、血管や心臓疾患を発症するリスクは高くなってしまいます。
そこで、血栓による血管の詰まりと、そのために引き起こされる心臓疾患の予防に有効な成分として注目されたのが、抗炎症作用を持つクロロゲン酸です。マウスを使った実験の結果、クロロゲン酸には血管の炎症を抑える働きの他、心筋梗塞などで傷ついた心臓の組織・機能の回復を促す傾向があることが認められました。
この結果から、クロロゲン酸には抗炎症作用による血栓・血管疾患発症の防止と、血管狭窄による心臓疾患の防止にも、効果が期待されているのです。
ここまで見てきたように、クロロゲン酸には抗酸化作用をはじめ、抗炎症、血管疾患や心臓疾患の予防など、健康維持のための様々な効果が期待できます。
コーヒーにはクロロゲン酸が含まれていることはもちろん、コーヒーでの休息によるストレス軽減も立派な病気予防になります。コーヒーを飲むときは、適量を守りながらゆっくりと味わってください。
コーヒーに多く含まれるクロロゲン酸には、従来から知られていた抗酸化作用や脂肪の燃焼促進、抗炎症作用の他にも、血管や心臓疾患への効果も報告されるようになってきました。まだまだ研究段階ではありますが、クロロゲン酸には、血管・心臓疾患を予防・治療する効果が期待できます。これらの疾患が気になる方は、生活のなかにコーヒーブレイクを取り入れて、クロロゲン酸を摂取するよう心がけてくださいね。