記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/21
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
弱い骨は骨粗鬆症や骨折の原因となり得ます。太くて強い骨は、通常20代をピークに形成され、それ以降骨量が減っていきますので、早い段階で太い骨を維持する方法を実践する必要があります。
この記事では、強い骨をつくるために実践すべき運動法についていくつかご紹介します!
体に負担をかけると聞くと、体に悪影響を及ぼしそうなイメージがありますよね?
しかし、骨を強化するためには実はとても効果的です!体に負荷をかける運動とは、走ったり、ジャンプしたり、骨に刺激を与えることなどがあります。
骨に刺激を与えることを数回繰り返すだけでも、骨を強化するためには十分です。
例えば、10段の階段を走って往復すると、上りで10回、下りで10回、骨に刺激を与えたことになります。これを一日に5回繰り返せば、100回骨に刺激を与えたことになり、骨を強くするために十分な効果が得られます。
しかし、重いものを持ち上げながら骨を刺激したり、しゃがむ ― 立ち上がる、の繰り返し運動は、脊椎に大きな負荷をかけてしまうため、骨折リスクが高い人にはおすすめできません。
また、ウォーキングやランニングマシーンでの運動などのあまり体に負荷のかからない運動でも、骨量の減少を抑え、バランス感覚や筋肉を鍛えるため、転倒のリスクを減らすことにつながります。
なお、骨の状況によっては、骨に強い負荷のかかる運動は避けたほうがよい場合もあります。
しかし、日ごろから運動している習慣のある人は、それを続けるようにしてください。
以下でご説明する体重負荷エクササイズとレジスタンス運動は、骨の強度を高め骨粗鬆症を防ぐために非常に重要です。
体重負荷エクササイズは、体重を負荷にする運動をいいます。例えば、ランニング、縄跳び、ダンス、エアロビクスのようなものがあげられます。衝撃力が強いため、筋肉、骨、関節の強化に適しています。
レジスタンス運動は、抵抗力に対してはたらく筋力を繰り返し使う運動をいいます。このタイプの運動は、一般的に週に2回程度行うことが推奨されています。例としては、腕立て伏せ、ジムでウエイトでのエクササイズや重量装置を使用することなどがあげられます。骨を引っ張る筋肉の動きで、骨を強化することが可能です。
35歳以降に始まるといわれている骨量減少を抑えるためには、最低週2回以上の筋力強化トレーニングをするようにしましょう。
大人に有効な活動には、例えば以下のようなものがあります。
・ウォーキング
・ウエイトリフティング (重量上げ)
・階段の上り下り
・重い荷物を持ち歩く
・エクササイズバンドを使った体操
・穴を掘るなどのガーデニング
上記でご紹介した運動はいずれも継続することが肝心です。年齢とともに下がりゆく骨の強度を傍観せず、年齢・運動のレベル・自身の骨の強度に応じて、自分に最適な活動や運動を見つけ、強い骨を維持しましょう!