記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/8
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
サプリなどで販売される「エキナセア」とは、具体的にどのような健康効果をもつ成分なのでしょうか?摂取上の注意点と併せて、詳しくご紹介します。
エキナセア(和名をムラサキバレンギク)は北米が原産のキク科の植物です。歴史的には、アメリカの先住民によって風邪の治療や、歯や喉の痛みに使われてきました。現在においても、アメリカではサプリメントの一種として広く利用されています。ヨーロッパにおいても、風邪やインフルエンザを緩和するハーブとして普及しています。中でもドイツでは幅広く利用されており、頭痛、喉の痛み、鼻炎、気管支炎の症状の緩和や腸内感染の予防などの効果が期待されています。
エキナセアには、大きく4つの効果があります。
一つ目が、免疫機能を高める効果です。風邪やインフルエンザなどの感染症の予防や症状の緩和という効果が期待できます。エキナセアには多糖類が含まれており、マクロファージという免疫細胞を活性化させる働きがあります。その結果、体内に侵入した細菌やウイルスなどの消化が促進され、感染症の予防や症状の緩和につながると考えられています。
二つ目が、アレルギーを改善する効果です。アレルギーは、本来排除する必要がないものに対しても免疫機能が過剰に働くことで引き起こされます。エキナセアにはこの免疫機能を正常化する作用があり、アレルギー症状を緩和する効果が期待できます。花粉症の症状緩和にもエキナセアは有効です。
三つ目が、むくみを改善する効果です。むくみは、体内の水分バランスが崩れ、老廃物が溜まることによって生じます。特に女性は男性と比べて、筋肉量が少なく、血管が細いため、下半身から心臓へ血液を送る力弱く、老廃物が溜まりやすいです。また月経前の期間は体内に水分を溜めるようになるのでむくみやすくなります。エキナセアには、老廃物の排出を促進する働きがあり、むくみの改善が期待できます。
四つ目が、排尿トラブルを改善する効果です。男性の場合、50歳を過ぎた頃から夜中に何度もトイレに行きたくなったり、尿が一度ですっきりと排出されないといった排尿障害が起きやすくなります。これは加齢によって前立腺が肥大し、尿道が圧迫されることが原因と言われています。また女性においても、尿道に雑菌が入ってしまことで、排尿時の痛みや残尿感といった症状が起きることがあります。エキナセアには抗菌作用があるため、これらの尿トラブルを改善する効果が期待できます。
エキナセアは上記のようなさまざまな効果が期待できますが、摂取する上で注意が必要な人もいます。結核、白血病、膠原病、HIV感染、自己免疫疾患などの疾患を発症している人は、免疫不全を引き起こす可能性があるため、使用を控える必要があります。また、エキナセアはキク科の植物なので、キクに対してアレルギーを持っている人は注意が必要です。妊娠中や授乳中の方は、使用に関しては医師に相談するようにしましょう。
エキナセアは古くから使われている成分で、免疫機能を高めたり、アレルギー症状を緩和したり、むくみを改善したりなどのさまざまな効果が期待できます。非常に有効な成分ですが、特定の持病がある場合やキクアレルギーを持っている場合には使用を避けましょう。