記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ストレスの緩和やリラックス効果があるといわれる「GABA」。チョコレートや飴などに配合し、販売している商品も少なくありませんが、このGABAを含む食材としてはどんなものがあるでしょうか?
GABAはアミノ酸の一種で、人を含む哺乳動物の脳や脊髄などの中枢神経に多く存在しています。抑制系の神経伝達物質として働き、ストレスを緩和したり、興奮を鎮めたりする効果があると言われています。また、脳の血流を活性化し、酸素の供給をサポートすることで、脳細胞の代謝をよくする働きがあります。他にも、老廃物などを尿として排泄する働きを活性化することで高血圧を抑えたり、血中コレステロールや中性脂肪を調整し肥満や糖尿病を予防・改善したりする効果があると言われています。
GABAを豊富に含む代表的な食品に、発芽玄米があります。発芽玄米とは玄米をわずかに発芽させたもので、発芽によって酵素が活性化することで栄養価が高くなります。さらに硬いぬかもやわらかくなるため、白米の様に手軽に炊くことができます。
発芽玄米には、100g当たり約10mgのGABAが含まれています。白米のGABA含有量は約1mgなため、発芽玄米には白米と比較して約10倍のGABAが含まれていることになります。
GABAの1日の必要摂取量は10~20mg程度といわれており、発芽玄米を摂ることで必要量がほぼカバーできることになります。GABAには脳のめぐりをスムーズにしたり、酸素の供給量を増加させ、イライラや不安を改善する効果があると言われています。発芽玄米の他にGABAを多く含む食品としては、漬物、醤油、味噌、キムチ、なす、かぼちゃなどがあげられます。
人は、体のさまざまな器官の活動をコントロールするために、24時間無意識下で自律神経を働かせています。自律神経は、交感神経と副交感神経の二つに分けられます。交感神経は、人が活動していたり、緊張したりすると活発化します。一方で副交感神経は休息していたり、リラックスしていると活発化します。GABAはこの副交感神経に作用することで、心と体をリラックスさせる効果があると言われています。
さらにGABAには神経を抑制する効果もあるので、40〜60歳代の女性に起こりやすい更年期障害の不定愁訴(ふていしゅうそ)にも効果的だということがわかっています。不定愁訴とは、体調不良にも関わらず、原因となる病気がわからない状態のことをいいます。
また、人はリラックスしているときα波という脳波が出ていますが、GABAを摂るとα波が増加し、リラックス効果につながると言われています。
さらにGABAには、興奮状態を抑える効果があるため、睡眠に入りやすい状態を作ってくれます。GABAは睡眠中に体内で生成されるため、不足している場合には食事やサプリメントを活用し補うことで、GABA不足の悪循環に陥らないように注意が必要です。
GABAにはリラックス効果やストレスを緩和する効果、イライラや不安を改善する効果があると言われています。GABAは発芽玄米に豊富に含まれており、その量は白米の約10倍です。食事やサプリメントを活用し、しっかり摂取するようにしましょう。