記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
豊富な栄養分を含んでおり、サプリなどの健康食品として人気の高い「ローヤルゼリー」。しかし、このローヤルゼリーには副作用はないのでしょうか?摂取にあたっての注意点などをまとめました。
ローヤルゼリーは、ミツバチ(働き蜂)が花粉をもとに体内で合成し、女王蜂のみが食べることを許されるクリーム状の栄養分です。ローヤルゼリーには、40種類以上の豊富な栄養素が含まれています。その中には、デセン酸やビオプテリンなど、ローヤルゼリーにしか含まれていない成分もあります。また、人の体内でつくることのできない必須アミノ酸が全種類含まれているのも特徴です。これらの充実した栄養素が、1匹のメス蜂を大きく育てて女王蜂にする源泉なのです。
ローヤルゼリーに含まれるパントテン酸は血圧を調整し、必須アミノ酸のリジンは傷ついた人体を修復させ、バリンは落ちた体力を回復させます。このほか、デセン酸には自律神経失調症や更年期障害の快復に効果がありますし、イノシトールには肝細胞の脂肪分を落とし、肝臓の健康を維持する作用があります。
ローヤルゼリーには、まずボツリヌス菌感染のおそれがあることから、蜂蜜と同様、ローヤルゼリーも1歳未満の乳児に与えてはいけません。
また、ローヤルゼリーは、働き蜂があちこちから集めてきた様々な植物の花粉や蜜でできています。いずれも天然の成分なのですが、原材料の種類が多岐にわたるため、人によってはアレルギー反応を示すことがありますので注意が必要です。
食物アレルギーや花粉症を持つ方は、ローヤルゼリーによって発作を起こす危険性があります。6歳未満の子供も要注意です。また、黄体ホルモンのバランスが崩れるおそれがありますので、妊婦や授乳中の母親がローヤルゼリーを摂取するのは控えるのが賢明です。
特に注意していただきたいのは、過去にミツバチやスズメバチ等に刺されたことがある方です。ローヤルゼリーの成分によって、アナフィラキシーショックを起こす場合があります。全身にじんましんができたり、複数の臓器に支障をきたし、血圧が低下、意識も混濁して、最悪の場合は生命の危機に瀕することもありえます。
いくら栄養価が高いとはいえ、ローヤルゼリーは医薬品ではなく、あくまで健康食品です。一度に大量に摂取しても短期的な効果は期待できません。十分な健康効果を得るためには、継続的に飲み続けることが重要です。
また、医薬品との飲み合わせにも注意が必要です。血栓塞栓症の予防に用いられるワルファリンカリウムを飲んでいる方がローヤルゼリーを服用すると、ワルファリンカリウムの作用を促進し、血液が固まりにくくなるおそれがあります。
ローヤルゼリーは、高い栄養価を誇る健康食品として注目を集めています。ただ、さまざまな花粉や蜜を集めてできたもののため、アレルギー持ちの方などが摂取すると重篤な副作用に見舞われる恐れがあります。該当する方は、服用前に必ず医師に確認をとるようにしてください。