ルイボスティーは、本当に妊活にいいの?

2018/3/12 記事改定日: 2019/11/25
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

カフェインが入っておらず、妊活にも効果的とされ、妊娠希望の女性から注目を集めている「ルイボスティー」。果たしてルイボスティーには、本当に妊活に良いのでしょうか?

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

ルイボスティーには、どのような特徴がある?

ルイボスは、マメ科アスパラトゥス属の針葉樹で、ルイボスティーにも使用されるハーブの一種です。南アフリカ共和国のセダルバーグ山脈周辺に自生しています。

ルイボスの歴史を遡ると、南アフリカの先住民たちが不老長寿や万病平癒のために葉を煎じて飲んでいたと言われています。
また、南アフリカから世界中にルイボスティーが広まったのは、18世紀後半にスウェーデンの植物学者が世界に向けて紹介したことがきっかけでした。

ルイボスティーには、カフェインが含まれていません。習慣的にカフェインを摂取すると、肝臓などの器官へ負担をかけ、精神面でも不安感やパニック発作などを誘発することが医学上確認されています。
しかしルイボスティーであれば、カフェインを摂らずにティータイムを楽しむことができます。

また、ルイボスティーにはカルシウム、ナトリウム、マグネシウムなどのミネラルがバランスよく含まれています。
ミネラルは、人間の身体にとって重要ですが、体内で生成できません。ルイボスティーをはじめとする食品・サプリメントを介しての摂取する必要があります。

そして、ルイボスティーには「SOD(スーパー・オキシド・ディスムターゼ)様酵素」が多く含まれています。SOD様酵素には、体内の活性酸素を抑える働きがあるとされています。

ルイボス期待されている効果とは?

ルイボスには、糖尿病予防や美肌効果、アトピー性皮膚炎の改善、動脈硬化の予防、生活習慣病の予防などさまざまな健康効果が期待されています。

ルイボスは抗酸化作用を持っていますが、この抗酸化作用が働くことで

  • しみやたるみなどの肌の老化を防ぐ
  • 血管を若々しく保って動脈硬化を予防する
  • 体内の活性酸素を除去してコレステロールの蓄積を抑える

などに役立つと考えられています。

ルイボスティーは妊活に有効なの?

ルイボスティーは、妊活に効果的という声があることは事実ですが、科学的に証明された作用ではなく、あくまで一説に過ぎません。
そのおもな説は、以下の2つです。

卵子や精子の老化を抑える
体内の活性酸素は、身体の臓器だけでなく、卵子や精子の老化を早めるといわれていますが、ルイボスの抗酸化作用は卵子や精子の老化の抑制に役立つという説
アスパラシンが着床を助ける
ルイボスには「アスパラシン」という成分が含まれています。これは女性ホルモンの「エストロゲン」と同じ働きをするとされており、子宮内膜を厚くして受精卵の着床に有利に働くという説

これらはあくまでも可能性の話になり、ルイボスティーを飲むだけで「妊娠する確率が上がる」というエビデンスはありません。

妊活を成功させるためには、生活習慣を全体的に見直したり、性行為のタイミングを工夫することが大切ですし、必要に応じて専門医に相談することも重要です。

妊活のために日常生活で気をつけること

ルイボスティーは上で述べたように妊活に効果的とされる説があります。しかし、より妊娠する可能性を高めるには食生活だけでなく、全般的な日常生活にも注意しなければならないことが多々あります。

具体的には次のようなことを取り組んでみましょう。

  • ストレスをためない
  • 睡眠をしっかりとり、生活リズムを整える
  • 極端なダイエットや偏食を避ける
  • 適度な運動習慣を身に付ける
  • 基礎体温を記録するなど、妊娠しやすい日を把握するようにする
  • 男性は陰部を暖め過ぎないようにする

おわりに:ルイボスティーには美容効果が期待できるが、妊活への効果は証明されていない

ルイボスの持つ抗酸化作用は、糖尿病予防や美肌効果、動脈硬化予防など、さまざまな効果が期待されています。妊活中の女性への効果が期待されていますが、それらはあくまでも説であり科学的に立証させたわけではありません。

妊活のためにルイボスティーを飲むことに問題はありませんが、妊活を成功させるためには、きちんと生活習慣を見直し、必要に応じて専門医に相談するようにしましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

カフェイン(41) 妊活(49) 糖尿病(273) アトピー性皮膚炎(23) 生活習慣病(60) 美肌(22) 抗酸化作用(17) ルイボスティー(1)