記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
赤ワインなどに豊富に含まれる、ポリフェノールの一種「レスベラトロール」。このレスベラトロールには、いったいどんな健康効果が期待されているのでしょうか?以降でご紹介していきます。
レスベラトロールは、ポリフェノールの一種です。ブドウの皮などに多く含まれています。構造の違いから主に「トランス型」と「シス型」の2種類に分かれますが、特に美容や健康効果があるとされ、化粧品や健康食品に使われているのは「トランス型」です。レスベラトロールは、美肌づくりや認知症予防、動脈硬化やがん予防にも効果があると言われています。
具体的なレスベラトロールの効果について紹介します。
レスベラトロールは、老化防止に関わる「サーチュイン遺伝子」を活性化することが最近の研究で明らかになっています。サーチュイン遺伝子は、細胞の修復や代謝、エネルギー生産などの調整を行っているとされる遺伝子です。このサーチュイン遺伝子をレスベラトロールは活性化させることから、細胞の老化防止に役立つと言われています。
次にメタボリックシンドロームへの効果です。先述のメカニズムでサーチュイン遺伝子が活性化すると、「アディポネクチン」と呼ばれるたんぱく質が増えます。このアディポネクチンには、肝臓や筋肉の酵素を活性化させて脂肪を燃焼し、またインスリンの効果を向上させて糖尿病を予防させる効果があることから、メタボリックシンドロームに効果があると言われています。
そして、脂肪肝予防効果です。レスベラトロールは、肝臓における脂肪の生産量を減少させ、分解を促進させることが実験で明らかになっています。
最後に、がん予防効果です。レスベラトロールは、抗酸化効果を持っており、がんの元となる活性酸素を抑制します。実際にマウスの皮膚がんに対して行った実験では、約98%の抑制効果が確認されたそうです。レスベラトロールはがんを抑制する物質として大きな期待を寄せられています。
レスベラトロールは、ブドウの皮から作られる赤ワインに豊富に含まれています。特に、ボルドーやローヌといった南フランス産のものは、紫外線の強さからレスベラトロールが多く含まれます。その他に、ピーナッツの皮やアーモンド、ココア、コケモモ(リンゴンベリー)などに含まれています。
赤ワインの他、ピーナッツやアーモンドにも含まれるレスベラトロールは、脂肪燃焼からがん予防にまで幅広く役立つことが分かってきています。赤ワインの飲み過ぎに注意しつつ、さまざまな食品を活用してバランスの良い摂取を心がけましょう。