記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/19 記事改定日: 2019/5/16
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
健康に欠かせないビタミンの一種「ビタミンA」はどんな食品に多く含まれているのでしょうか?
ビタミンAの作用や摂取上の注意点と併せて、詳しくご紹介していきます。
ビタミンAは、食品の中では
といった動物性の食品を中心に含まれています。
また、緑黄色野菜やメロンやミカン、スイカといった濃い色の果物には、プロビタミンA(ビタミンAになる前の成分)が含まれています。とくに緑黄色野菜にはβカロテンが豊富で、日本人のビタミンAの補給源は、緑黄色野菜が中心です。
日本人がビタミンAの多くを補給している緑黄色野菜の中でも、以下に挙げたものはβカロテンを含む代表的な野菜です。
植物性食品の場合は、ビタミンAになる前のβカロテンが豊富に含むものを食べることが、ビタミンAの補給につながります。
食卓にのぼることが多いニンジンには、βカロテンがたっぷり含まれています。ニンジンの鮮やかな色は、黄色色素であるβカロテンと、赤色色素のリコピンが合わさっているためにできています。βカロテンもリコピンも共に抗酸化作用があるとされ、細胞のダメージを防ぐ働きがあります。
また、私たちが普段食べているオレンジ色の部分はニンジンの根にあたりますが、葉の部分にはβカロテンが根の2倍も含まれています。もし葉がついたニンジンが手に入ったら、葉の部分もぜひ食べましょう。
ほうれん草はβカロテンの他にも鉄を含む葉物野菜です。軽く湯がいてお浸しにしたり、バターで炒めてソテーにしたりと手軽に1品をつくれるお役立ち食材のひとつです。ほうれん草はアクが強いものもあるため、ゆでる、炒めるなどの加熱調理が基本ですが、最近ではサラダで手軽に食べられる品種も販売されています。
春菊はそのままでもβカロテンが豊富ですが、火を通すことで更にビタミンAが増加する野菜です。すき焼きなどの鍋物には定番ですし、ほうれん草と同様に、さっと湯がいて、お浸しにしても美味しい野菜です。
レバーに含まれるレチノールは過剰摂取によって健康を害することがあり、1日の適正量が決められていますが、βカロテンは厳密には決められていません。
これはβカロテンは体内での吸収効率が悪く、摂取しても大部分が排出されてしまうためです。また、βカロテンは体内で必要量だけビタミンAに変換されますから、食べ過ぎを気にする必要はありません。
むしろ効率良く食べる方法を知り、継続的にとっていくようにしましょう。
緑黄色野菜からβカロテンを効率良くとるためには調理方法にポイントがあります。
まず、ひとつめとしては加熱をすることです。βカロテンは熱を加えても栄養価は失われず、体内で吸収されやすくなります。
そして、ふたつめは油を使って調理をすることです。βカロテンは油に溶けるため、油で炒めるなどの方法で更に吸収しやすくなります。
妊娠中はビタミンAの過剰摂取には注意しなければなりません。
とくに妊娠初期にビタミンAを過剰摂取すると胎児に奇形を引き起こすリスクが高くなることが分かっています。
妊娠中の一日のビタミンAは1500㎍以下を目安にしましょう。これは、ウナギのかば焼きや鶏レバーなどの100g分に相当しますので思いのほか、ビタミンAは上限になりやすい栄養素でもあります。通常の食事をしていればまずビタミンAの過剰は心配ありませんが、毎食ごとにこれらの食材を摂るのは控えましょう。
また、サプリメントなどには多くのビタミンAが含まれるものもありますので、服用している人は必ず成分を確認するようにしましょう。
鉄分が豊富というイメージのレバーには、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB、ビオチン、葉酸と、一度は耳にしたことがあるような栄養素が豊富に含まれています。
ビタミンAの量は数ある食品の中でも最も多く、健康の維持や美容の面でも定期的に食べたい食材のひとつです。
しかし、レバーは多く食べれば良いという食材ではありません。レバーに含まれるレチノールは脂溶性のビタミンAで、体内でも脂肪や肝臓に溶けこんで蓄積されます。
健康に必要なビタミンとはいえ、過剰に蓄積すると吐き気や頭痛、便秘といった不快な症状が生じることがあり、妊娠初期にはお腹の赤ちゃんへ何らかの影響が出てしまうことがあります。
そのため成人の場合はレバーの適正摂取量は2700μg(マイクログラム)と定められています。この量は意外と少なく、実は焼き鳥のレバーを1本を食べるだけでも、1日の上限量を超えてしまいます。
ビタミンAが気になるときは、レバーだけを食べるのではなく、緑黄色野菜などβカロテンを含む食材を意識して取り入れていきましょう。βカロテンは、体内でビタミンAが不足したときにビタミンAに変換されます。
ビタミンAは人間の体内ではつくることができず、食品などから摂取しなければなりません。アンチエイジングや美容の効果も期待され、若い人から高齢者・シニアの健康を維持するために大切な栄養素ですが、レバーなどの動物性食品から摂取する場合は過剰摂取に注意が必要です。何かひとつの食材ばかりを食べるのではなく、バランスの良い食事を心がけましょう。