記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
朝なかなか起きられなかったり、立ちくらみが起こったりする低血圧。今回の記事では、手軽にできる低血圧対策をまとめました。仕事中の不調でお悩みの方も必見です。
低血圧は高血圧と比べて有効な治療薬が少ないことから薬での治療が非常に難しいとされています。また、「朝だけ低血圧で、昼間は血圧の値が普通(もしくは高い)」という人もいるため、医師たちも薬の処方が非常に難しいとしています。
低血圧は原則として治療の必要性がないとされており、血圧が低下することによって各臓器へ送られる血液量が減少し、臓器の機能障害が起きたり、何かしらの自覚症状が起きたりすることで始めて治療が検討されます。
そのため、薬に頼るよりも、まずは生活習慣を見直していくことで、低血圧の症状を和らげていくということが治療方法として非常に有効となってきます。
次に日常生活においてできるお勧めの低血圧対策をいくつかご紹介していきます。今回は、日常生活の中でも食べ物や飲み物、運動といった観点から低血圧対策をご紹介します。
高血圧の治療の際には塩分を控えるようにと指導がされるように、塩分は血圧をコントロールするうえで重要な物質となります。塩分には血管を収縮させて血圧を上げる作用や食欲増進作用があります。
また、タンパク質も日常生活の中で不足しやすいため、積極的に摂っていくことが必要となります。しかし、タンパク質や塩分に偏った食事をしてしまうと、今度は高血圧となってしまうためバランスよく、ほどほどの量の摂取を心掛けましょう。
さらに、また、テラミンという物質も血圧を上げる作用があり、主にチェダーチーズに含まれています。
そしてユビデガレノンという物質は不足することによって心拍機能が低下し、血流が悪くなり血圧低下につながります。この物質はお肉やブロッコリー、ナス、ニンニクなどに多く含まれています。
また、飲み物では交感神経を刺激して血液の巡りをよくする効果のあるカフェインが含まれているものが低血圧には効果があるとされています。具体的にはコーヒーや紅茶、お茶などです。こちらもたくさん摂りすぎないように注意しましょう。特に夜寝る前に飲むと眠れなくなるという人は朝だけ飲むなど時間を工夫することも大切です。
また、栄養が足りていない場合や低血圧特有の食欲低下の症状が出ている場合にはサプリメントを使用して栄養を補うという方法もあります。
低血圧の人は足や手といった末梢部分の血管の収縮力が弱く、心臓に血液が戻らないことによって血液循環が悪くなり低血圧を引き起こします。特に足のふくらはぎの筋肉にはポンプ作用があり、下肢の血液を心臓に戻すための重要な役割を担っています。
そのため適度な運動を行い、下肢の筋肉を鍛えることで低血圧の改善に効果があるとされています。ふくらはぎの筋肉を鍛えるには、ウォーキングや階段昇降が効果的です。ただし、低血圧の症状が顕著にみられている場合には一度医師に相談してから実施するようにし、症状が出現しているときに無理して行わないようにしましょう。体力に自信がない場合は最初は散歩程度にしたり小さな段差の昇降から始めるようにしましょう。
規則正しい生活習慣も低血圧を改善するのに効果的です。低血圧の人は朝起きることが辛く、ついついぎりぎりまで寝ていてしまうかもしれません。しかし、そうすると食事を摂りそびれるなどして低血圧を改善するにはつながらず、むしろ低血圧を悪化させかねません。
朝、早めに起床して太陽の光を浴びたり、熱いシャワーを浴びるなどして交感神経の働きを高めるとスムーズに起きることができ、朝食もしっかりと摂ることができます。早寝早起きおよび3食の食事をバランスよくしっかりと摂るということから始めてみてはいかがでしょうか。
「日常生活を改善してみたけれど低血圧が改善しない」という場合には病気の可能性も考えられます。低血圧を共う病気には甲状腺機能低下症、心筋梗塞、不整脈、肺塞栓症、アジソン病が考えられます。
また、臓器内など外見では見えないどこかで出血をし続けている、アナフィラキシーショックを起こしている、自律神経性ニューロパチーの場合も血圧が低下します。日常生活を改善しても低血圧がなかなか改善しないという場合は医療機関を受診し、専門的な検査を受けることをお勧めします。
低血圧はお薬での治療が難しいものの、日常生活を少し気を付けることで対策することが可能です。具体的な対処法は食事や飲み物、早寝早起きやウォーキングなどいずれも身近なものであるため、気軽に対策を始められます。低血圧でお困りの方はまず日常生活の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。