記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
低血圧の症状として、朝なかなか起床ができない、立ちくらみなどの他に、吐き気や頭痛があります。この低血圧による吐き気や頭痛には、実は自律神経が関連していると言われます。今回は両者の関連性や、改善方法をお伝えしていきます。
低血圧となると全身の血流が低下します。そうすると、一時的にではあるものの心臓や胃、腸に血流が届かなくなり、血液不足となります。そのため、低血圧の際に、吐き気や下痢などが生じることがあります。この状態が長時間続くと臓器不全となり生命へも危険を及ぼす状況となるのです。
頭痛や吐き気があり、低血圧のせいかも…と思っていても実は低血圧だけが原因ではなく本能性自律神経失調症が原因の可能性もあります。本能性自律神経失調症とは自律神経の調節機能が体質的に乱れやすい人のことを言い、子供の頃からの元々持っている体質が原因となります。
特に体力に自信がない虚弱体質の人や、低血圧の人に多く見られ、病院で検査をしても病的な異常は特に見つからないことが多いです。日常生活のストレスなどもあまり関係しないことが特徴です。
自律神経失調症は薬物療法で改善することも可能です。しかし、低血圧の人に多く見られる本能性自律神経失調症は、体質に原因があることから生活習慣を見直して体質を改善していかなければ症状を改善することは難しいとされています。
低血圧も自律神経失調症も生活習慣を見直すことで改善することができます。まずは、下肢のポンプ機能を活用することです。ふくらはぎの筋肉を鍛えることで筋肉がポンプの役割をし、下肢に溜まった血液を心臓へと戻す働きをしてくれます。ウォーキングをするなどして下肢を積極的に動かし、ふくらはぎを鍛えましょう。
また、運動が苦手、医師から止められているという場合は弾性ストッキングなどで下肢に圧をかけてあげるのも効果的です。市販のものよりも医療用として販売されているもののほうが高い効果を得ることができます。
他には、自律神経を整えるために起床後に太陽の光を浴びたり熱いシャワーを浴びるのも効果的です。
本能性自律神経失調症ではない場合の自律神経失調症はストレスが原因で自律神経のバランスが乱れて生じてしまうこともあります。ストレスを全く抱えていないという状況を作り出すことは困難ですが、ストレスの原因を知ってストレスを避ける、あるいはストレス解消法を見つけて実行するということは自律神経失調症の改善において非常に大切なこととなります。
低血圧の症状が出ていても、それは低血圧だけが理由ではなく自律神経失調症が原因のことがあります。本能性自律神経失調症が原因の場合は日常生活で改善していくことが大切です。日常生活を見直し、自律神経を整えていきましょう。