記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/20 記事改定日: 2019/2/13
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手足口病の症状としては、手足や口の中の水疱や微熱が一般的ですが、嘔吐することがあります。これは何か危ない状態のサインなのでしょうか。
手足口病で嘔吐したとき、どんなことに注意すればいいかを解説していきます。
手足口病は「コクサッキーウイルス」や「エンテロウイルス」などが原因で起きる感染症の1種です。口の中や手のひら、足の裏・こうなどに水ぶくれのような発疹ができることが特徴で、夏が流行のピークとなります。
手足口病を発症するのは小児がほとんどで、5歳未満が80〜90%を占めるといわれています。
発疹を主な症状とする手足口病ですが、まれに重症化することもあります。
髄膜炎や脳炎、小脳失調症などの合併症を起こしたり、心筋炎や神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺などの症状が起こることもありますので、経過には十分注意しておく必要があります。
などの症状が現れた場合には、合併症を起こしている危険があります。そのような症状がみられたら、早急に医療機関を受診し適切な処置をしてもらいましょう。
嘔吐がある場合は、体内の水分が余計に失われることになりますので、脱水を引き起こしやすくなります。脱水が進行すると腎臓や心臓にダメージが加わることもありますので、十分な水分補給を行うように注意しましょう。
以下のような症状が見られる場合は脱水の可能性がありますので、嘔吐の有無に関わらず当てはまる項目がある場合はなるべく早めに病院を受診するようにしましょう。
手足口病のような発疹が起こっていても、頭痛や発熱がある場合は別の病気である可能性もあります。
ひとつは、手足口病と同じウイルスが原因で起こるヘルパンギーナです。ヘルパンギーナは、口の中の発疹に加えて、高熱と強い喉の痛みが起きることが特徴です。
もうひとつは、アデノウイルスが原因で起こるプール熱(咽頭結膜熱)です。プールの水を介して感染が広がることが多いため、このように呼ばれています。プール熱の症状としては、高熱や喉の痛み、目の充血が多くみられます。頭痛や食欲低下、全身のだるさ、腹痛や下痢などが現れることもあります。
どれも同じ夏に流行する病気で、症状も少しずつ似ています。しかし、それぞれ原因が違うので、対処法も異なる場合があります。気になる症状があるときは、医療機関を受診して指示を仰ぐようにしましょう。
軽症で済むことの多い手足口病ですが、まれに合併症を起こすことがあります。また、手足口病のようにみえて、違う病気である可能性もあります。
嘔吐や頭痛、発熱などの症状がみられた場合は、早めに医療機関を受診して適切な対処ができるようにアドバイスをもらいましょう。