記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/26 記事改定日: 2019/9/25
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病になると、血糖値の上昇に伴って、爪が黒くなったり白くなったりと変色することがあります。ではなぜこうした変色が起きるのでしょうか?その理由や、糖尿病によって爪に出るさまざまな症状をご紹介します。
糖尿病が進行して「糖尿病性神経障害」を起こすと、足の爪の変色や変形などがみられるようになります。
血中のブドウ糖が多い状態が続くと動脈硬化になり、足先まで血流と酸素が行き渡らなくなります。
すると末梢神経が異常を起こしたり、免疫力が低下して細菌に感染しやすくなることで、さまざまな足の症状を引き起こすようになるのです。
この糖尿病性神経障害が進行すると、まず足先が壊死するようになります。
爪が黒いのは、皮膚や組織が腐敗しているサインかもしれません(濃い紫色に変色することもあります)。
このような壊死の治療が遅れると、徐々に膝の方へと範囲が広がっていき、最終的には足の切断を余儀なくされる恐れがあります。
なお、このような変色が起こっている状態では、足の感覚が麻痺してしまっていることが多く、痛みやかゆみを感じません。
糖尿病の人で爪が白く濁ったふうになるのは、「爪白癬(爪水虫)」の症状のことが多いです。爪疥癬とは、足の水虫の白癬菌が足の爪に感染することで起こり、爪の表面に光沢がなくなって白濁し、爪が肥厚します。
糖尿病で血糖コントロールが悪い状態が続くと、爪が自然に剥がれることがあります。変色のときと同様、感覚は麻痺しているので特に痛みは伴いません。
糖尿病による爪の特徴的な症状としては、上記以外に以下のものがあります。
糖尿病による神経障害は足から症状が現れることが多いですが、進行すると手の指にも症状が現れることがあります。
手では、指の痺れや感覚の低下などが見られ、免疫力や治癒力が低下することでささくれや小傷が重症化しやすくなり、その結果として爪が変色したりはがれやすくなることがあります。
糖尿病ではない人でも、爪水虫や巻き爪は起こることがあります。しかし、これらの爪の症状に加え、血糖値が高く、多尿やのどの渇きといった症状も見られる場合は糖尿病の可能性が高いです。特に爪の黒い変色は壊死の兆候のことがあるので、すぐに病院を受診しましょう。