記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
水ぶくれが特徴の帯状疱疹ですが、発疹が出ていてもお風呂に入って大丈夫でしょうか?また、他の人にうつる可能性はあるのでしょうか?
一般的には、帯状疱疹の人はお風呂に入っても良いとされています。入浴には以下のように「身体を温める」「リフレッシュになる」といったメリットがあります。
帯状疱疹の痛みは、身体をあたためて血行を良くすることでやわらぎます。他の疾患などで制限がなければ、入浴やシャワー浴で身体を温めると良いでしょう。また、入浴しないときもホッカイロや湯たんぽなどを活用して身体を冷やさないようにすると、痛みの軽減につながることがあります。
帯状疱疹の痛みや痒みは、睡眠を妨げたり食欲を衰えさせたりすることがあります。入浴は身体の衛生を保ち、温めるだけではなく、気分をリフレッシュする意味もあります。帯状疱疹は疲れやストレスが誘引となるとされています。ゆっくりと入浴し、さらに良い睡眠をとることで心身の回復につながることが期待されます。
水疱瘡に感染したことがある人同士は、一般的には入浴によって帯状疱疹がうつることはありません。帯状疱疹の原因は、水疱瘡の原因でもあるウイルスと同じです。過去に水疱瘡に感染したことがある人は、体内に水疱瘡のウイルスに対する抗体を持っています。この抗体は、基本的には数十年働いているため、健康な状態であれば帯状疱疹の人と接触しても感染することはないとされています。
しかし、まだ水疱瘡にかかったことのなく、予防接種を受けたこともない子供は、帯状疱疹の人がもつウイルスがうつることで水疱瘡を発症する可能性があります。帯状疱疹の患部に触った手で直接触れたり、同じお風呂に入ることは避けた方が良いとされています。また妊娠中の人も、胎児への影響を考えると注意が必要です。
特に症状が強く、水ぶくれが湿っているときはウイルスが活発な状態で、かさぶたになるまではウイルスの感染力があるといわれています。また、水ぶくれが破れているときは傷口に感染が起こりやすい状態です。症状が落ち着くまでは浴槽につかることは控えて、身体を拭いたりシャワー浴にとどめることが良いでしょう。
帯状疱疹の初期には、皮膚の水疱が擦れや圧迫されることで潰れてしまうことがあります。この時期は、お風呂に入ったり、石鹸を使ったりするとしみることがあるでしょう。しみるときは無理に石鹸は使わずに、やさしく洗って清潔にしておきましょう。入浴後は処方された軟膏を塗ります。症状が落ち着いて水ぶくれがかさぶたになれば、しみるということはなくなっていくでしょう。
帯状疱疹の入浴は、痛みの軽減や気分転換に良い影響があります。しかし、症状が著しい間は、幼い子供などへの感染リスクや、患部の負担を考慮してシャワー浴にとどめるほうが良いこともあります。入浴は自宅だけではなく、公共の浴場を使用する人もいますから、状況に応じて医師に確認してみましょう。