記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
カンジダ症はカンジダ菌という真菌(カビ)が原因で発症しますが、性行為(セックス)で感染したり、悪化することがあるのでしょうか。また、潜伏期間はどのくらいなのでしょうか。
カンジダ症と性行為による感染について詳しく解説していくので、パートナーに感染させないためにも、きちんと理解しておきましょう。
性感染症(STD)は、一般的にはオーラルセックスを含む性行為(セックス)によってのみ感染するとイメージされますが、カンジダ症は異なります。
カンジダ症の原因は真菌(しんきん)というカビで、腸内や女性の腟内など、人間の体内にもともと存在している常在菌と呼ばれるものの一種です。
このため、性行為によってパートナーから感染して発症することもあれば、ストレスや体調の変化によって免疫力が低下し、自己で感染・発症するケースもあります。
なお、真菌は女性のうち約10%が腟内に保有しているといわれています。
このため、男性よりも女性の方が特に感染・発症しやすいのも大きな特徴です。
カンジダ症の原因となる真菌は、女性の約10%が腟内に保有している常在菌の一種です。
このため、特に女性が自己発症するまでの潜伏期間は数年単位と長くなり、免疫力の低下をきっかけに一気に真菌が増殖することで、発症するケースが多いといわれています。
一方、男性がカンジダ症の女性との性行為になどよって感染した場合は、2日~1週間ほどの潜伏期間を経て、発症するのが一般的です。
カンジダ症を発症したときに性器に出る症状は、男女によって以下のように異なります。
これらの症状が、日常的に頻繁に見られます。
・おりものの量が増える
・おりものがヨーグルトやチーズのような白いカス状になった
・外陰部や腟に赤い腫れ、かゆみが出る
・排尿時、性行為時に痛みを感じる
全体として症状が軽度のため、気づかずに進行するケースも見られます。
・陰部に軽いただれ、かゆみが出ることがある
・亀頭部分が赤くなる
・白いカスが出る
・排尿時に痛みを感じることがある
男女とも、カンジダ症の治療には医師による診断と薬の処方が欠かせません。
上記のようなカンジダ症が疑われる症状が複数出た場合には、女性は婦人科、男性は泌尿器科の病院へ行って、できるだけ早く検査を受けるようにしてください。
カンジダ症を発症しているときに性行為を行うと、炎症を起こしている陰部に刺激を与えてしまうため、症状を悪化させる可能性があります。
特に、男女ともにカンジダ症の自覚症状が出ているときは、炎症が強くなっている状況です。
そのようなときに性行為を行うと、自身の症状が悪化するばかりか、パートナーに感染・発症させてしまうリスクも高くなります。
カンジダ症に感染・発症している自覚がある場合には、できればキスも含めて、性行為は控えるのが賢明でしょう。
カンジダ症を発症しているときの代表的な症状に、陰部のかゆみや痛みがありますが、女性の場合は性行為中に痛みを感じるようになるという人も多いです。
今までは特に感じなかったのに、性行為のときに腟に痛みを感じるようになったというときは、カンジダ症(カンジダ腟炎)の発症が疑われます。
性行為中に痛みを感じ、他にも気になる症状があるようなら、一度病院で検査してもらいましょう。
カンジダ症は、性行為によって感染・発症する性感染症でありながら、原因が人間の身体に常在する真菌であることから、女性が自己感染・発症する特徴的な病気です。また、はっきりと自覚するような症状が出るほど炎症が悪化しているときには、性行為によって症状の悪化やパートナーへの感染を招くリスクも高くなります。カンジダ症を発症しているとわかったら、自分とパートナーのために性行為は控えるようにしてください。