記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/21 記事改定日: 2019/9/3
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
入浴すること自体は「体に良い」イメージがあるかもしれませんが、妊娠初期にはいつもどおり入浴してもいいのでしょうか。
この記事では、入浴が妊婦さんにどう影響するかについて解説していきます。妊娠中に素敵なリラックスタイムを過ごすための参考にしてください。
体があたたまり、赤ちゃんにも良さそうなイメージのある妊娠中の入浴ですが、高温のお湯への入浴や長時間の入浴は負担になる可能性があります。
まだおなかが出てきていない妊娠初期に、油断して妊娠前と変わらない心構えで入浴してしまうと、以下のようなトラブルに見舞われる可能性があります。
このようなトラブルを避けるためには
し、お母さんの体への負担を少なくするようにしましょう。
また、のぼせや立ち眩みを防ぐために、お湯につかる時間も肩までつかるなら10分以内、半身浴なら20分以内を目安に、早めにあがるようにしてください。
入浴剤にはリラックス効果もありますし、注意書き欄に「妊娠中は使用してはいけない」という旨が書かれていなければ、妊娠中でも入浴剤を使用してもかまいません。
ただし、香りの強いものはつわりを悪化させ、肌への刺激が強いものは肌荒れを引き起こす可能性があります。
入浴剤を使って気分が悪くなったり、皮膚に異常が出たときは使用をやめましょう。
また、入浴剤代わりに使われるアロマにも妊娠中には使用しないほうが良いものがあります。アロマに関しても必ず注意書きを確認してから使用するようにしてください。
妊娠初期には、少量の出血や茶おり(茶色いおりもの)が出ることもあります。
このような症状のある場合は、着床や妊婦検診、赤ちゃんの成長のための子宮の拡張などによって、子宮に何らかの傷ができている可能性があります。
出血や茶おりが出ているときときは、感染するリスクを下げるためにも浴槽につかっての入浴は避けましょう。
シャワーで体を洗うだけにして、清潔を保つようにしてください。
なお、出血や茶おりが鮮血に変わったり、量が急に増えたり、下腹部痛を伴う場合は流産の兆候の場合もありますので、病院で診てもらってください。
妊娠の初期症状や、風邪などのために以下のような症状が出て体調がすぐれないときは、症状が悪化する可能性があるので、浴槽につかるのはやめた方が良いでしょう。
健康なときはあまり感じないかもしれませんが、実は入浴にはかなりの体力を必要とします。
体調が悪いときは、浴槽につからなくても「シャワーのお湯が体に当たる刺激」だけで、体調が悪化するという妊婦さんもいるほどです。
体調が悪いときは無理してお風呂には入らず、蒸しタオルなどで首筋を温めたり、お湯で濡らしたタオルで体を拭いて清潔を保つようにしましょう。
体調さえ許すようなら、冷えによる子宮収縮を防ぐために足湯をしてもいいでしょう。
以前は妊娠中に温泉に入るのは良くないことと考えられてきましたが、2014年に環境省が妊娠中の温泉は必ずしも禁忌ではないとの見解を公表しました。
この影響からか、最近では妊娠中に温泉旅行を楽しむ妊婦さんも増えています。
しかし、温泉自体がお腹の赤ちゃんに悪影響を与えることはないとはいえ、妊娠中はやはり慎重に入浴する必要があります。
とくに妊娠初期は体型自体の変化はなくても、体の中ではホルモンバランスが急激に変化していて、めまいや立ちくらみなどが起こりやすい時期です。また、多くの妊婦さんがつわりに苦しむ時期でもあります。
温泉で体を温めると、これらの症状が悪化する可能性があります。
このことから、妊娠初期に温泉に入るのはおすすめできませんが、妊娠初期が終わり体調の変化もなく元気に過ごしている妊婦さんであれば、しっかり水分補給を行い、長湯を避ければ入浴してもいいでしょう。
ただし、入浴中に気分が悪くなったときはすみやかにお風呂からあがって、休むようにしましょう。
入浴中に体調が悪くなったときに備え、ご家族やご友人などと一緒に入ると安心です。
入浴はかなりの体力を必要とするため、体質や体調によっては体調に変化が現れることがあります。
一般的に妊娠中はのぼせやすく、疲れやすくなっているので、体への負担を避けるためにも
をするようにしたほうがいいでしょう。
人によっては妊娠の初期症状などでシャワーを浴びるのもツラくなってしまうことがあります。体調が悪いときに無理してお風呂に入る必要はありませんので、自分の調子を見ながらお風呂につかるか、シャワーだけですませるか、蒸しタオルで体を拭くだけにするかを決めていきましょう。