記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/24 記事改定日: 2019/4/18
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
更年期の症状の中でも悩んでいる人が多い体重の増加。
その原因のひとつは「むくみ」だといわれていますが、むくみが太る原因になるのはなぜでしょうか?
この記事で、更年期の「むくみ」について詳しくお伝えします。
「むくみ」は細胞間や血管に余分な水分がたまって細胞が圧迫され、血流が悪くなった状態を指します。
むくみの原因はさまざまで、運動不足・冷え・ストレス・生活習慣の乱れなどが関係していますが、更年期のむくみはホルモンバランスが崩れることで引き起こされることが多いです。
個人差はありますが、更年期になるとホルモンバランスが乱れ、女性ホルモンの一種である「プロゲステロン」の分泌量が増えて「エストロゲン」の分泌量が減る傾向があります。
増加する「プロゲステロン」は体内に水分をためこむ作用が、減っていく「エストロゲン」には血液やリンパの流れを促進する作用があるので、体外に排出されるはずの余分な水分が体に留まった分だけ体重も増加しやすいのです。
顔のむくみの原因は、多くの場合塩分の摂り過ぎです。
塩辛いものを食べ過ぎるなどして体内の塩分濃度が上がると、体が塩分濃度を薄めようとするため体内に水分をためようとし、顔のむくみとなってあらわれやすくなります。
このしくみは更年期以外の人にも当てはまります。
足がむくむ原因は、長時間座ったまま、あるいは立ったままなど同じ姿勢で過ごすことで足の筋ポンプの機能が低下し、血の流れが悪くなることです。そうすると足の組織液(血液・リンパ液・水分)が停滞して足にたまり、足のむくみを引き起こします。
むくみを解消するんためには、「血行を良くすること」と「むくみの原因を避けること」がポイントです。
血行を改善するためには、運動や半身浴などを行い、根菜類や香味野菜などの体を温める食材やカリウムの多い食材(下記項目にて紹介)を積極的に摂りましょう。
反対に、アルコール飲料の飲み過ぎ、塩分の取り過ぎ、睡眠不足、血行を悪くする締め付けが強い下着や衣類の着用などはむくみを引き起こす原因となるので、できるだけ避けるようにしましょう。
カリウムには体内の過剰な塩分を体外に排出してくれる働きがあるので、むくみの解消をサポートしてくれます。以下にカリウムが豊富な食材をあげるので、ぜひ参考にしてみてください。
更年期のむくみや諸症状を改善するには、ストレッチや軽度な有酸素運動を行うのがおすすめです。
ストレッチは、全身の血行を改善することで、滞りがちなリンパの流れもよくしてむくみを改善する効果が期待できます。また、ストレス解消にもよいと考えられています。
有酸素運動とはウォーキングや軽度なジョギング、水泳などの運動のことであり、心臓などに負担をかけずに全身の血行を良くし、脂肪燃焼効果も期待できます。
更年期のむくみに悩んだ場合には、無理のない範囲で上記のような運動を取り入れてみましょう。
更年期にむくみやすくなる原因多くはホルモンバランスの乱れによるものなので、ある程度は仕方がないといえます。ですが、塩分の摂りすぎ、体の冷え、筋力の低下などは日頃の生活習慣を工夫することで、いくらか避けることができます。
今回ご紹介したような対処法を取り入れて、むくみを予防・解消していきましょう。