記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/5/1 記事改定日: 2019/9/9
記事改定回数:2回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
乳腺炎を発症すると、胸がチクチクと痛くなったり、赤く腫れたりします。このようなとき、鎮痛薬を飲みたいけれど、授乳中に服用したら母乳に影響が出るのではないかと心配になりますよね。
この記事では、治療でカロナール®やロキソニン®といった薬を服用しても問題ないかや、薬の服用中に授乳をやめなければいけないときの対処法を解説します。
カロナール®は、アセトアミノフェンを主成分とする薬です。この薬は授乳中に服用しても母乳に影響を及ぼさない薬と言われています。
ロキソニン®は母乳へ移行する確率が低いため、授乳中に服用しても問題ないといわれています。一般的に会陰切開や、裂傷による痛みに対する効果はロキソニン®が強いとされ、産後も一般的に内服することのできる薬です。ただし、副作用の関係から喘息や腎機能障害、胃潰瘍などの既往歴がある方は内服を控えたほうが無難です。
イブ®に含まれるイブプロフェンは母乳中にわずかにしか移行しないので、授乳期に服用しても問題ありません。ただし、イブ®の種類によってはイブプロフェンが多く含まれているタイプのものや多くのカフェインが含まれているものがありますので、なるべく成分が少ないものを選ぶとともに、購入する際は薬剤師に相談すると安心です。
様々な薬を服用し始めるにあたり、授乳を控えたほうがいいのかしらと悩むこともあると思います。自分の体のためとはいえ、赤ちゃんに母乳のメリット(免疫や神経発達を促すことや、感染症の予防など)を与えられなくなるのはつらいですよね。
薬を服用している間も母乳で育てたい場合は、かかりつけの医師に一度相談してみてください。場合によっては、母乳に影響があまり出ない薬を処方してくれることがあります。ただ、もしそれでも服用中は授乳をやめるよう指示されたら、赤ちゃんの健康を考えてそれに従いましょう。
また、授乳をやめている間は搾乳をして、母乳を作り続けることができる状態を維持しましょう。1日に5~6回、できれば3~4時間おきに搾乳すると、薬を飲み終えた後にすぐ赤ちゃんに母乳を与えることができます。
授乳中に市販薬を使うときは、なるべく医師か薬剤師に相談しましょう。