記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
耳鳴りと頭痛はいずれも一般的な症状ではありますが、慢性的に併発している場合は、特定の病気や、悪い姿勢による肩こりが主な原因として考えられます。詳しくは以降で解説します。
肩こりが原因で、耳鳴りと頭痛が起きている人は少なくありません。
首の後ろには、4つの筋肉から構成される後頭下筋群があります。普段から悪い姿勢をとっていると(猫背で顎を前に突き出すような座り姿勢など)、後頭下筋群とその表面を覆う僧帽筋(そうぼうきん)が硬直することで、うなじから肩にかけて凝りが発生します。そして後頭下筋群の周囲には頭や耳、目などの動きを司る神経が密集しているので、凝りに圧迫されることで耳鳴りや頭痛、かすみ目などを引き起こすことがあります。
耳鳴りや頭痛に加えて、目のかすみ、首の痛みも自覚症状としてある場合は、原因が肩こりの可能性が高いといえるでしょう。もし肩こりが原因であれば、マッサージやストレッチで僧帽筋の凝りをほぐすことで改善する可能性があります。
慢性的なストレスは、肩こりを悪化させる要因の一つです。過度なストレスがかかると、無意識のうちに人は歯をくいしばるようになり、肩にますます力を入れるようになります。すると三叉神経(頭部と顔面を支配する、脳神経の中で最も太い神経)が圧迫されることで、こめかみ周辺にズキズキとした頭痛を生じやすくなります。
耳鳴りと頭痛は、下記の病気のサインのことがあります。
ストレスや疲労の蓄積、生活リズムの乱れなどが原因で自律神経が乱れた結果、起こる病気が自律神経失調症です。症状は多岐にわたりますが、代表的なものは以下のとおりです。
耳鳴りと激しい頭痛、物が二重に見える、手足のしびれ、舌のもつれ、突然の嘔吐などの症状が見られる場合は、脳梗塞や脳出血などの脳の病気の可能性があります。こういった重大な脳の病気による耳鳴りは、拍動性(血管が脈打つような感じ)のことが多いので、該当する場合はすぐに脳神経外科を受診してください。
一言で「耳鳴りと頭痛がする」といっても、肩こりが原因の場合もあれば、脳の病気が原因のこともあります。耳鳴りと頭痛以外に併発している症状にも注目し、原因疾患の特定に役立てましょう。