記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/8 記事改定日: 2019/4/1
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
耳鳴りは一過性のものもあれば、慢性的に続いてしまうものもあります。今回の記事では、キーンという高音の耳鳴りの原因や耳鳴りの止め方について解説していきます。
まず、キーンという高音の耳鳴りの、主要因の一つは難聴と考えられていますが、近年は「耳鳴りは難聴による脳神経の異常興奮が原因」で起こるという説が注目を集めています。
人間は音を耳ではなく脳で認識しているのですが、脳に一定の音域の信号が十分伝達されていない状態が続くと、その音域をより聞こうとするようになります。
すると脳は神経を活性化させていくことで異常興奮状態になり、その音域の信号を増幅してしまったものを耳鳴りを感知するようになります。
つまり、高音域が聞こえにくい難聴の人は、キーンという高音の耳鳴りが聞こえやすくなるのです。
この説が原因で耳鳴りがしているのであれば、難聴を改善することで高音の耳鳴りを止めることができる場合があります。
高音の耳鳴りは、一般的に加齢に伴う「老人性難聴」や長期間に渡って騒音に晒されることによる「騒音性難聴」などが原因で引き起こされます。
これらの難聴は、高音域の聞こえが悪化するのが特徴です。また、根本的な治療がないことが多く、日常生活に支障を来たすような場合には補聴器による高音域のカバーが行われます。
難聴の主要因として、「アブミ骨筋(中耳のアブミ骨と内耳をつなぐ筋肉)」の硬直によって、耳から脳への音の伝達が阻害されることが挙げられるのですが、耳ひっぱりは、このアブミ骨筋の凝りをほぐしてくれる場合があるといわれています。また、耳周辺の血流を促進する効果も期待できます。
耳ひっぱりのやり方は以下の通りです。
ただ、医学的に効果が立証された方法ではありませんので、あくまでもセルフケアの一部として行うようにし、試す前に必ず医師に許可をもらってください。
キーンという耳鳴りの多くは難聴が原因とされていて、難聴を改善することで耳鳴りがある程度やわらいでいくことがあるといわれています。
難聴も耳鳴りも「耳」のトラブルですので、まずは耳鼻科で治療について相談してみましょう。また、耳を引っ張るケアで改善することもありますが、あくまでもセルフケアのひとつとして考えるようにし、必ず医師の指示にしたがって治療を進めていきましょう。