記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/11 記事改定日: 2019/12/17
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ブロック注射とは、腰痛をもたらす原因となっている神経や、その周辺部位に局所麻酔薬を注射し、痛みを抑える治療法です。
ここでは、ブロック注射を受けてみたいけど、実際どんな治療法なのかよくわからないという人のために、ブロック注射の回数や期間、腰痛への効果などについて解説していきます。
治癒までに必要なブロック注射の回数や期間は症状や状態によって異なりますので、腰痛の原因や病態によって、一人ひとり適した方法でブロック注射が行われていきます。
基本的にブロック注射に医学的な限界や制限はありませんが、医療費の補助は、保険連合会が週に1回の支払いのみと定めています。
また、医師の技量や判断などで回数が制限されることもあります。
ブロック注射は、神経に直接局所麻酔液を注入して痛みを和らげるもので、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など神経が圧迫されることによって生じる腰痛に効果があります。
また、いわゆる「ぎっくり腰」と呼ばれる重症な急性腰痛症患者に対しても、腰の痛覚を低下させる目的で行われることがあります。
ブロック注射は、歩行や体動が困難なほど強い腰痛がある場合や足の痺れ・電撃痛などの神経障害による症状を伴う場合に使用が検討されます。
ブロック注射は神経に注射をするため、通常の注射よりも強い痛みがありますが、麻酔液が直接神経に作用するので、飲み薬の痛み止めよりも痛みが和らぎやすいです。
腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、ギックリ腰などによる腰痛に使用されます。
ブロック注射を打つときはベッドにうつぶせになり、尾骨近くの仙骨裂孔から針を刺入します。仙骨から下部腰椎の硬膜外に麻酔薬やステロイド剤を注入し、30分ほど安静にしながら、効果を確認します。
対象になる患者さんは仙骨裂孔ブロックと同じで、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、ギックリ腰などによる腰痛に使用されます。
注射を打つときはベッドに横向きに寝て、皮膚に局所麻酔をしてから行います。脊髄の外側、硬膜外腔に薬液を注入し、その後血圧を測りながら、1時間ほど安静にして様子をみます。
仙骨裂孔ブロックと硬膜外ブロックで改善が見られない神経痛に使用されます。
うつぶせになって皮膚に局所麻酔を行い、X線(レントゲン)で透視しながら針を進めて、神経根に直接薬液を注入します。30分ほど安静にして様子をみます。
ブロック注射を行った後は足の運動や感覚を司る神経の働きが一時的に低下し、動かしにくさ、感覚の鈍さなどが引き起こされることがあります。
このため、ブロック注射をした後は運転を控えるように注意する医療機関がほとんどです。
ブロック注射によるこのような効果が続く時間には個人差があります。もちろん、足が違和感なく動かせるようになれば運転しても構いませんが、少なくとも3時間ほどは運転を控えた方が無難です。
ブロック注射をする予定があるときは、タクシーや公共交通機関などを使用したり、家族の運転で通院するようにしましょう。
腰痛に対するブロック注射は高い効果が期待できる場合が多いですが、効果には個人差があり、場合によってはあまり効果が見られないこともあります。
ブロック注射が効かないときは、さらなる安静の維持や鎮痛剤・湿布などによる対症療法を続けることもありますが、重症な腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などでは神経の圧迫を解除するための手術が検討されることも少なくありません。
治療方法は、腰痛の原因や重症度によって異なりますので、担当医と話し合って最善の方法を選択するようにしましょう。
ブロック注射は、痛みで緊張した神経の興奮を抑えたり、血流の改善や、自然治癒力を高める効果があります。
また、薬物療法に比べて全身への影響が少ないので、体への負担が少なくすみます。セルフケアで良くならないような腰痛も、ブロック注射治療で緩和できる場合があるので、腰痛が続くときは医師に相談してみることをおすすめします。
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