記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/18 記事改定日: 2019/2/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
一言で「頭痛」といってもその痛み方はさまざまで、ズキズキと痛むものもあれば、ギューッと締め付けられるような痛みを感じる場合もあります。今回の記事では「ズキズキ」する頭痛の原因について、こめかみが痛む場合と頭頂部が痛む場合に分けて、解説していきます。
ズキズキする頭痛の原因としては「片頭痛」が考えられます。
片頭痛は、ストレスや疲労、女性ホルモンの変化などにより頭蓋骨内の血管が拡張したために起こります。月に1〜2度、右や左側のこめかみがズキズキと脈打つように痛むのが特徴で、吐き気を伴うことが多いです。
体を動かすと痛みが悪化する傾向にあり、頭痛が起きる前にチカチカとした光が見えることがあります(閃輝暗点)。
また、後頭部がズキズキする場合「後頭神経痛」の可能性もあります。
後頭神経とは、後頭部の中央付近から頭頂部にかけて左右1本ずつ伸びている神経で、頸部の筋肉の間から皮膚の表面側に出ているため、筋肉からの圧迫を受けやすいといわれています。
長時間の悪い姿勢などで首や肩の筋肉が凝ると、後頭神経が圧迫され、頭痛が生じるようになります。
後頭神経痛は、後頭部でズキズキ、キリキリするような痛みを感じるのが特徴で、耳の後ろ側で痛みが生じる場合もあります。
また「緊張型頭痛」の可能性も考えられます。
緊張型頭痛は、長時間のデスクワークなどで首や肩の筋肉が緊張し、血流が低下したことで起こる頭痛です。血流が悪くなった部分に疲労性物質が溜まり、それが周囲の神経を刺激することで、後頭部でのズキズキした頭痛や、頭全体が締め付けられるような痛みを感じるようになります。
ただ「ズキズキする」という痛みの特徴や痛む部位だけで痛みの原因を特定することはできません。ズキズキする頭痛には、何か病気が隠れている可能性もあるのです。
ズキズキとした拍動性の頭痛を引き起こす病気には、片頭痛や緊張型頭痛などの慢性頭痛以外に以下のようなものが挙げられます。
高熱や倦怠感などの強い全身症状があり、意識が低下しているような場合、吐き気・嘔吐、手足のしびれ・麻痺、言語障害などの症状を伴う場合はなるべく速やかに病院を受診するようにしましょう。
また、日常生活に支障を来たすような強い痛みや、市販の鎮痛薬を服用しても症状が改善しないときには軽く考えずに一度病院で相談してみましょう。
ズキズキという頭痛の原因としては、「片頭痛」「緊張型頭痛」「後頭神経痛」などさまざまなものが考えられます。
痛む部位によって判別できることもありますが、自己判断は難しく、それぞれ適切な治療法は異なるので、長引くようなら頭痛外来を受診するところから始めましょう。