記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
重要なイベントの前日になかなか寝付けず、寝不足になってしまい、翌日は一日中頭痛に悩まされた…なんて経験はありませんか?今回は、そんな寝不足による頭痛が起こるメカニズムや、解消する方法をご紹介していきます。
寝不足の日に頭痛が起こる原因としては、以下のことが挙げられます。
自律神経には、心身を緊張させて興奮状態を促す「交感神経」と、心身をリラックスさせ興奮状態を鎮める「副交感神経」があります。睡眠不足の状態に陥ると、このうち副交感神経の作用が阻害されるようになります。そして交感神経が優位に変わっていく過程で、脳の血流障害が起こって頭痛が発生することがあります。
人間は呼吸をする際、食事から摂取をした糖を分解します。そして糖が不足してきた場合は代わりに脂肪を分解することでエネルギーを生み出すのですが、この過程で生成されるのが活性酸素です。この活性酸素は体内に残存すると、細胞や神経を損傷させ、中枢神経などに悪影響を与える原因となる可能性があるといわれています。
そして睡眠不足の人は、脳に活性酸素が多く残っているうえに、上記のエネルギーの生成過程でさらに活性酸素が増えることになります。すると体内では各細胞を守るために、脳の血流を減少させて活性酸素の生成を減らそうとし、その結果脳の血流が減少してしまうことで頭痛が起こりやすくなると考えられています。
寝不足によって脳の血流状態が変化すると、延髄(えんずい:脳幹を構成する部位の一種)の嘔吐中枢が刺激を受けることで、吐き気が起こりやすくなります。
寝不足による頭痛を解消・予防するのに効果的とされる、簡単な対処法をいくつかご紹介します。
寝不足による頭痛の緩和に効果的なツボを2つご紹介します。
寝室の室温や湿度によっては、肉体的なストレスによって交感神経が優位となり、寝不足による頭痛を発症・悪化させやすくなります。寝室の室温は、夏場は26℃以下、冬場は17℃前後に調整し、湿度は50%くらいをキープしましょう。
梅干しの香りの成分「ベンズアルデヒド」には、痛みの鎮静作用があると考えられています。このため、梅干しを食べたり、香りをかいだりすることで頭痛が緩和する可能性があります。
寝不足による頭痛は、自律神経の乱れや脳の血流不足が原因で引き起こされるものです。ツボ押しなどのセルフケアで解消されることも少なくないので、寝不足の日の頭痛で悩まされたら、一度試してみてはいかがでしょうか。
なお、セルフケアをしても軽減しなかったり、頭痛が長引いている場合は別の原因も考えられるので、早めに頭痛外来を受診してください。