記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ノロウイルスは加熱消毒が有効なウイルスです。そのため、加熱調理である程度予防することができますが、加熱するときに電子レンジを使ってもいいのでしょうか。
この記事では、食品のノロウイルスを加熱消毒するときの注意点について紹介しています。電子レンジを使った消毒のコツについても紹介していくので、参考にしてください。
ウイルス類を死滅させると考えると一般的に火を使って過熱をすることが考えられますが、手間をかけずにノロウイルスを殺してしまいたいものです。
そんな手間をかけずにノロウイルスを殺すことができるのが電子レンジです。
ノロウイルスは熱に弱いため、食品の中心部分までしっかりと加熱されれば死滅します。つまり、電子レンジでも中心部分をしっかりと加熱をすることができればノロウイルスを死滅させることは可能となります。
しかし、電子レンジの加熱方法は電磁波を使用することから、電磁波が角に集まり、角の熱が上昇しやすいという性質があります。また、電子レンジが発しているマイクロ波は食品内部に進むにつれてエネルギーを無くして消えてしまうためどうしても加熱むらが発生することがあります。
そのため、厚みのある食品の場合は十分に中心部分を加熱できない場合があるので注意が必要です。
効果的に食品の内部まで加熱をするために、容器に蓋をつけて加熱するか、蓋を使わない場合は長めに時間をとって加熱をするようにしましょう。
ノロウイルスを予防するための加熱消毒の時間や温度の目安はどのくらいが良いのでしょうか。
ノロウイルスは85℃~90度で90秒以上加熱することで死滅するとされています。
食品内のノロウイルスを死滅させるには、中心部が90秒間この温度で加熱させる必要があります。中心部までしっかり加熱するように気をつけましょう。食品の中心部を加熱するようにしましょう。心配な場合は、内部の温度が計測できる温度計が市販されているので、それを使って調理することをおすすめします。
ノロウイルスは100個以下の少量の摂取であっても発症するとされています。予防のためにも上記の温度と時間を守った加熱調理を徹底しましょう。
ノロウイルスの感染源の代表的な食品として二枚貝が挙げられます。
私たちがよく摂取する二枚貝で、ノロウイルスの感染源としてよく耳にするのが牡蠣ではないでしょうか。
牡蠣は身の表面がノロウイルスに汚染されているだけでなく海中で内臓部分にノロウイルスを蓄積している可能性があります。
そのため、表面だけを加熱していても中心部が生であればノロウイルスに感染する可能性はあるので注意が必要です。
逆に、中心部までしっかりと加熱されていればノロウイルスに感染する可能性はほぼなくなり、安全に食べることできます。
中心部までしっかり加熱ができれば、電子レンジを使って手軽にノロウイルスを加熱消毒することができます。
しかし、電子レンジは角から加熱される性質を持つため、角がしっかりと加熱されていても中心部までしっかりと加熱されていない場合もあるので注意が必要です。電子レンジを使用するときには加熱時間を長くしたり蓋つきの容器を使用するなど工夫をしましょう。
また、牡蠣は内臓部分にウイルスが蓄積されていることが多いので特に注意が必要です。電子レンジでも、火を使った調理でも、中心が85℃から90℃で90秒以上しっかりと加熱されるように気をつけながら調理して、ノロウイルスを予防しましょう。