記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ウイルスへの感染が疑われるときは、ウイルスを特定するための検査が行われることがあります。しかし、ノロウイルスの感染では、あまり検査をしないということをご存知でしょうか。
この記事では、ノロウイルスの検査について解説しています。
インフルエンザなど多くのウイルス性の疾患は、原因ウイルスの特定などのために検査を行うことが多いです。
しかし、ノロウイルスの診断では検査がされないことが多く、通常は問診や症状、周囲の状況などを総合的に判断して診断を下していることが多いといわれています。
ノロウイルスは検査する方法はあるものの、ノロウイルスに感染していても陽性反応にならないことが多く、検査をしたところで治療法は変わらないなどの理由から医療機関で検査を行うことはあまりありません。また、臨床症状だけではどのウイルスが原因となっているのかを判断し辛いということも関係しているといえるでしょう。
ただ、行政機関や研究機関で感染状況の把握を目的に検査が行われることはあるといわれています。
もしも医療機関でノロウイルスの診断をつけてもらう場合、保険が適用されるのでしょうか。
現在では、健康な人(自覚症状が全く出ていない人)がノロウイルスに感染しているかどうかを確認するために検査を受ける場合は基本的に保険適用外となり、自費での診療となります。
また、自費で診療しようとしたとしても感染を調べるキットが無いなどの理由で検査を受け付けてもらえないということもあるでしょう。
しかし、疑わしい症状が出ていて、検査が必要と医師が判断した場合の検査費用が保険適用となります。
3歳未満の乳幼児や65歳以上の高齢者、臓器移植後、悪性腫瘍の診断を受けている人、免疫抑制剤や高悪性腫瘍薬、もしくは免疫抑制効果のある薬を内服している場合などは、ノロウイルスへの感染の有無を調べる必要があると判断されることが多いといわれています。
ノロウイルスにかかった可能性がある場合には、消化器症状が著明に出ることから基本的には消化器科や内科を受診することをおすすめします。
また、例えば夜中にノロウイルスの症状が出た場合には、救急科を利用したいと考える人もいるかもしれません。
しかし、救急科は症状が重い人や持病があるという人しか診てもらえない場合もあるため、受診する際には注意しましょう。
ノロウイルスの検査は、ノロウイルスにかかっていても陽性反応が出ないこともあり、検査をしても治療法が変わらないということから検査に否定的な医療機関が多いといわれています。基本的には検査はできないと考えておきましょう。ただし、65歳以上や3歳未満の乳幼児、もともと免疫抑制の疾患があるなどの場合は、医師の判断で検査されることもあります。
ノロウイルスの症状が見られたら消化器内科や内科などを受診し、医師の指示に従って療養しましょう。