記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
重いものを持ち上げようとしたときや、長時間座った後に立ち上がったときなど、ふとしたときに起こるのが「ぎっくり腰」です。皆さんの中に、早く治そうとしてマッサージをしたことがある人はいませんか?これは安易に行うと逆効果といわれています。そこで今回は、ぎっくり腰になった際の適切な対処法や予防法をご紹介します。
ぎっくり腰は、正式には「急性腰痛」といわれています。
腰椎を支えている関節や椎間板、筋肉などに損傷が起こることで発症しますが、体の中で何が起こってぎっくり腰になってしまうのか、原因ははっきりしていません。
ぎっくり腰になったときは、まず安静にすることが大切です。このとき、自己流でマッサージしたり、安易に整体院やリラクゼーションサロンでマッサージを受けると、炎症がひどくなり痛みが悪化する恐れがあります。
安全面を考慮して、病院を受診することが好ましいです。
ぎっくり腰になったら、まずは痛みが一番楽になる姿勢で安静にしてください。また、できるだけ早く痛めた部位をアイスパックや氷嚢で冷やしましょう。
ただし、冷やしすぎると悪化する恐れがあるため、15分から20分時間程度で一度冷やすのをやめ、60分から90分程度インターバルを置いてから繰り返し冷やすと良いといわれています。
楽になるのであれば、痛み止めなどを服用してもいいでしょう。
痛みが少し引いたら、少しずつ動くようにした方が回復するのが早くなるといわれています。
ぎっくり腰になる原因は、椎間板や筋肉、神経などさまざまな場合が考えられます。過去に起こったぎっくり腰はマッサージで良くなったとしても、今回起こったぎっくり腰が同じ原因で起こっているとは限りません。ぎっくり腰は原因に応じた適切な対処をしなければ、悪化させてしまう恐れがあるのです。
筋肉の緊張による腰の痛みであれば、マッサージで痛みが緩和する可能性がありますが、何が原因で腰に痛みが起こっているかを自分で判断するのは難しく、医師以外が判断することはできません。まずは病院を受診して、きちんと検査して痛みの原因を調べてもらいましょう。
ぎっくり腰の多くは一ヶ月程度で自然と回復します。しかし安静にしていても症状がひどくなっていく、身体を動かさなくても腰痛があるといった場合には、ぎっくり腰以外の病気が隠されていることがあります。
また、排尿障害や力が入らない場合などは、脊椎すべり症や椎間板ヘルニアなどが考えられます。症状をこれ以上悪化させないためにも、早めに病院を受診しましょう。
ぎっくり腰になる原因は主に二つあります。一つ目は、腰に急激な負担がかかること。二つ目は継続して筋肉に負担がかかることです。そのため、日常生活の中で姿勢や動き方に注意したり、柔軟性や筋力を十分に保つことが効果的といえるでしょう。
以下に、ぎっくり腰を予防するためのストレッチを二つご紹介します。
1.仰向けになり、顔を左側に向けて両手を肩と同じ高さに広げます。
2.右足は伸ばし、右側に左足をもっていったまま、約10秒間この姿勢を保ちます。
3.逆も同じようにストレッチします。
1.仰向けの状態で右膝を立て、左膝を抱えます。
2.抱えた左膝を胸の方にゆっくり引き寄せ、そのまま約5秒間保ちます。
3.次に左膝をゆっくりと伸ばし、左膝を立てて、右膝を抱えます。
4.抱えた右膝を胸の方にゆっくり引き寄せ、そのまま約5秒間保ちます。
5.両膝を抱え、痛みが出ない程度に丸くなります。この時、腰が伸びていることを感じながら約10秒間深呼吸しましょう。
ただし、間違ったやり方でストレッチをしたり、体の状態にストレッチが合わない場合は、かえって腰痛を引き起こしてしまうことがあります。ストレッチをしていて痛みや違和感が出てきたときは、すぐに中止して病院を受診しましょう。
ぎっくり腰になると、ほんの少しの動作でも腰に痛みが走り、日常生活を送るのも大変になりますよね。この記事を参考に、ぎっくり腰にならないための工夫と、それでもなってしまった時の正しい応急処置を頭の片隅に入れて生活しましょう。