記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
血圧を測定したときに、朝と夜で血圧の数値が違うという経験がある人も少なくないでしょう。血圧の数値が測るたびに変わるのは何故なのでしょうか?血圧が変動する仕組みについて解説します。
血圧は、起床前から徐々に上昇し始め、日中活動している間は高くなります。夕方から夜にかけて活動量が少なくなるにつれ下がっていき、就寝中が一番低くなります。このような血圧の変化を「日内変動」といい、毎日繰り返されます。
また、運動中やストレスなどによっても血圧は変化するので、日内変動は人により異なり、同じ人であっても毎日の日内変動は変わります。
血圧は、心身の状態に影響され、常に細かく上下しています。血圧が変動する要因は下記のようにさまざまなものがあります。
血圧は、毎日の数値が大きく変化する場合は注意が必要です。血圧は、ストレス・喫煙・運動・環境などの様々な要因により変動しますが、通常では、変動する数値はほぼ一定の範囲に保たれています(安静時の最大血圧:100〜140、最小血圧:60〜90mmHg)。また、もし一時的に数値が変化した場合でも、すぐに元に戻るようになっています。
しかし、高血圧の人は血圧の数値が変動することが多く、また変動後に元に戻るまで時間がかかります。そして、この変動値が大きいほど脳卒中や心筋梗塞などになる確率が高く、死亡するリスクも高いとされています。
血圧の症状の中には、「夜間高血圧」などの就寝中の血圧低下が起こらないものや、「早朝高血圧」などの起床時の血圧が高くなるもの、昼間よりも夜間の血圧が高くなるケースもあります。また、午前6時〜正午の時間帯は脳卒中が起こる確率が高いため、早朝時の高血圧があると危険です。そのため、血圧は24時間コントロールすることが重要なポイントとなります。
最近では、24時間血圧測定が可能な携帯型自動血圧計などもありますが、あまり一般家庭には普及しておらず、自分で夜間高血圧を見つけるのは難しいです。しかし、早朝高血圧の場合は、起床時に血圧を測定する習慣があれば見つけることが可能です。朝の血圧が135/85mmHgより高かった場合は、医療機関を受診しましょう。
結論から言うと、高血圧でははっきりとした自覚症状は現れません。もし、頭痛やめまいなどの症状があるという場合は、高血圧による心臓血管症や脳卒中などの合併症の可能性があります。合併症の症状には以下のようなものがありますので、気になる症状があるときはすぐに病院へ行きましょう。
血圧が変動する際に、変動する幅が大きかったり、元の数値に戻るまで時間がかかる場合は、注意が必要になります。また、早朝高血圧の早期発見のためにも、起床時の血圧を記録するようにしましょう。