記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/25 記事改定日: 2018/7/17
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」は、比較的よく知られている発達障害の一種ですが、具体的にはどんな症状が出るのでしょうか?その特徴と対応の違いについて、子供と大人の場合で分けてご紹介します。チェックの目安としてお役立てください。
ADHD傾向のある子供の主な特徴を抜粋します(参考程度にとらえてください)。
ADHD傾向のある大人の特徴を、いくつか抜粋します(参考程度にとらえてください)。大人の場合は、特に仕事上でトラブルに繋がっていることがあります。
ADHDの3つの特徴は、大人でも子どもでも同様に生じます。しかし、大人と子どもでは置かれる立場や責任、生活の集団が異なるため症状の現れ方に違いが見られます。
このため、周囲の人の対応の仕方も大人と子どもによって異なるので注意しましょう。
大人は家庭や会社などの社会生活の場で自分の判断で行動するようになり、責任ある立場になります。このため、ADHDの諸症状に周囲の人が振り回されたり、逆に周囲との軋轢が生じて患者が孤立することも少なくありません。
大人のADHDには、金銭管理や責任ある重要な仕事などは周囲がサポートして行うように環境と整えるとよいでしょう。
また、多動性の著しい人では長時間の会議など落ち着きを必要とする場は避けるなどの対策も必要です。
子供のADHDは主に学校生活で困難な場面に遭遇することが多くなります。親や教師は、不注意による忘れ物などに注意してサポートするようにしましょう。また、落ち着きのなさは病気の症状のため、頭ごなしに叱るのではなく、その場に適した行動を指導するような気持で接するようにしましょう。
これまでご紹介したのは、あくまでも一部の例になります。チェックに当てはまる数が多かった、あるいは少なかったからといって、ADHDであるかどうかを判断できるものではありません。
ADHDかどうかを確認したいという人は専門の医療機関を受診することが必要です。子供の場合は、児童精神科などの専門の診療科で各種検査や診断、治療を受けることができます。また、地域の保険センターや子育て支援センター、かかりつけの小児科医に相談することで、専門窓口を紹介してもらうこともできるでしょう。
大人の場合は、精神科や心療内科などで、発達障害を対象としているところを受診してください。また、子供でも大人でも、各都道府県に設置されている発達障害者支援センターにも問い合わせてみても良いでしょう。
ADHDの患者が学校や仕事を続けるには、本人だけでなく周囲の人も多くの努力を要することが少なくありません。
社会生活を送るために、精神保健福祉センターや児童相談所、職業訓練所などでADHDの人を対象とした相談や支援を行っていることがあります。詳しくはお住いの自治体やかかりつけの医療機関に問合わせ、自身やご家族に適した支援を利用するようにしましょう。
ADHDの特徴は多様であり、ここで挙げたチェック項目だけで判断されるものでは決してありません。診断は、医学的な検査や心理検査、これまでの発達の様子など、さまざまな情報をもとにして行うものです。そのためADHDかどうかをはっきりさせたいというときには専門機関を受診することが必要です。地域の医療機関や相談機関を調べておくだけでも、安心に繋がるのではないでしょうか。