記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
親が気管支喘息(喘息)を持っている場合、生まれてくる子供に遺伝はするのでしょうか?また、喘息を予防するためには何をすればいいのでしょうか?この記事では、喘息と遺伝の関係や予防方法について解説していきます。
結論から言うと、親が喘息を持っているからといって、必ず子供に遺伝するというわけではありません。
喘息は、「遺伝因子」と「環境因子」が互いに作用することで発症するとされていますが、遺伝因子についてはまだ具体的な研究結果が出ていません。環境因子となるものには、ダニ・ほこり・アレルゲン・ウイルス・細菌・微生物・大気汚染物質などさまざまなものが関係していると考えられています。
このように、遺伝因子を持って生まれた場合でも、その後の環境により経過が変わってくるため、「遺伝因子を持つ」=「喘息になる」と明確に断言することはできません。ただし、発症する確率がゼロと断言することもできないということも忘れないようにしましょう。
ストレスにより自律神経のバランスが崩れると、体の様々な所に不調をきたし、喘息が悪化することがあります。仕事の合間にこまめに休憩をとったり、趣味や好きなことでストレスを発散しましょう。また、ストレスが強いときには、吸入ステロイド薬を活用することで症状の改善をはかることができます。
タバコから出る煙は、気道への刺激に加えて、喘息の元となっている炎症を悪化させ、吸入ステロイド薬の効き目を悪くさせてしまいます。また、自分でタバコを吸うよりも、他人が吸っているタバコの煙を吸う副流煙の方が有害なため、喫煙している人には近づかないようにしましょう。
睡眠不足により疲労が溜まると、風邪などのウイルスに感染しやすくなったり、アレルゲンに対して敏感になり、アレルギー症状が出やすくなります。十分な睡眠時間の確保・適度な運動・入浴・アロマテラピーなどで体をリラックスさせ、熟睡できる環境を整えましょう。
喘息患者が風邪やインフルエンザに感染すると、気道の炎症をさらに強めてしまうため、喘息症状が悪化します。そのため、インフルエンザなどのウイルスが流行する秋〜冬の時期は特に、手洗い・うがい・マスク・人混みを避けるなどの予防策を徹底する必要があります。できれば、インフルエンザワクチンの予防接種を事前に受けておくことをおすすめします。
運動をすることで発作が起こる運動誘発性喘息の患者さんは、運動を避ける傾向がありますが、適切な治療を受け症状が安定している状態ならば、多少の運動であれば問題ありません。適度な運動をすることにより心肺機能向上や基礎体力がアップし、発作が起こりにくい体を作ることができます。
ただし、運動前しっかりと準備運動をするようにしましょう。また、冷えた空気は発作を悪化させやすいので、気温の低い朝や冬場はマスクを着用し、喉を冷やさないようにしましょう。
アトピー型喘息の患者さんは、アレルゲンを吸引することで発作が起こるので、掃除と換気をこまめに行い、アレルゲンを徹底的に排除しましょう。アレルゲンには、ダニ・ほこり・カビ・ペットの毛・花粉などがあります。
部屋の掃除のポイント
喘息は必ずしも遺伝するわけではありません。親が喘息を持ちで、子供が遺伝因子を持っている場合でも、その後の環境なども発症に影響するため、必ず喘息になるとは限らないのです。また、喘息の予防をするには、規則正しい生活習慣や体調管理、室内の掃除などをしっかりとするようにしましょう。