記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/29 記事改定日: 2020/1/8
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ダイエット目的や糖尿病治療の一環で実践することのある「糖質制限」。ただ、「糖質制限は危険」という話を一度は耳にしたことはないでしょうか?以降では、糖質制限の危険性や問題点を中心に解説していきます。
糖質の摂取量を減らす「糖質制限ダイエット」は、短期間で体重が大幅に減るために取り入れている方は多いと思います。
ただ、糖質は人間にとって重要なエネルギー源のため、極端に糖質を制限すると大きく健康が阻害される恐れがあります。
具体的には、以下の危険性があります。
過度な糖質制限は上でも述べた通り、かえって健康を害する危険があります。
糖尿病などの持病がない方が糖質制限を安全に行うには次のような点に注意しましょう。
現在、糖尿病の治療食として糖質制限食を取り入れている医療機関は多く、実際に糖質制限によって減量効果や血糖値の改善効果が得られた糖尿病患者は数多く存在します。
しかし、「米やパンなどの主食は一切食べない」といった極端な糖質制限を自己流で行うと、短期的には血糖値の数値は改善するものの、足の筋力が衰えて歩行困難になったり、栄養不足によって視力に異変が出たりと、別の健康リスクが生じる危険性があります。
糖尿病の人は、治療のために糖質を制限した食事が必要になることがあります。
しかし、糖質は身体のエネルギーを作る大切な栄養素であるため過度に制限すると日中の活動性低下や倦怠感など様々な不調を引き起こすことがあります。また、無理な食事制限はリバウンドの原因になるので避けましょう。
食事制限の方法は、それぞれの症状や状態によって異なりますが、糖尿病の人は一食当たりの糖質を40g程度、間食での摂取を10g程度に抑え、一日当たり130g以下の糖質に抑えるのが理想とされています。
日本人の一日の平均糖質摂取量は300g程度ですので、大幅に抑えることになりますが、野菜や魚、大豆製品など糖質が少なく良質な栄養素を多く含むおかずを多く食べることで腹持ちもよくなり、リバウンドを防ぐことができます。
ただし、糖尿病の人は自己判断で極端な食事制限をせずに医師や管理栄養士などの指導の下で行うようにしましょう。
糖尿病患者や糖質を過剰摂取している肥満の人の場合は、糖質制限によって健康面での効果が得られる側面はあります。しかし、過度な糖質制限は筋力低下や体調不良など、かえって健康状態の悪化につながる危険性があるのも事実です。糖質制限を実施する際は、必ず主治医か管理栄養士の指示を受けるようにしてください。
また、健康的に減量するには食事を制限するだけでなく、運動でカロリー消費することも重要です。バランスが良く、健康上無理のない方法で糖質制限を取り入れるようにしましょう。